【6日の市況】2024年の利下げを指摘して喝采を浴びたパウエルFRB議長の講演を受け Ibovespaは0.62%上昇

 ボベスパ指数は、2日続落した後、6日(水)に0.62%上昇し、128,890ポイントとなった。前日に株式市場が下落した後、米国株式先物指数が上昇したことが上昇を支えた。
 ブラジル指数は、コモディティの上昇と、中国が自国経済を支えるために流動資金をさらに提供する意向であるとの兆候に助けられた。中国中央銀行は、銀行の強制力を削減する余地があるとし、消費者物価の上昇と人民元の安定維持を約束した。

 鉄鉱石は中国・大連で0.23%下落、シンガポールでは下落するなど、シグナルが分かれた。原油は約1.00%上昇した。その結果、ペトロブラス(PETR4)とヴァーレ(VALE3)の株価がそれぞれ2.20%、1.37%上昇し、金属セグメント全体も上昇した。
 午前11時頃(ブラジリア時間)、北米市場のムード改善を受けて、ボベスパ指数は129,000ポイントを目指して上昇を加速させた。株価指数先物の上昇と国債利回りの低下は、午後の早い時間にパウエルFRB議長の議会でのプレゼンテーションが発表されたことを受けたものだ。パウエル議長は、今年の利下げは「おそらく適切である」と再確認したが、インフレの不確実性も指摘した。
 「パウエル議長はすでに、データに依存する姿勢を示している」とワン・インベスティメントスのパートナー、ヤン・ヴァスコンセロス氏は言う。「言い換えれば、彼は指標、特に労働市場の指標を待つつもりだ」とも指摘した。
 これに先立ち、2月の米民間部門の雇用者数は14万人と発表された。この結果は、アナリストが予想していた15万人を下回るものだった。金曜日には正式な雇用統計が発表される。「ADP全米雇用報告は雇用統計とそれほど密接な関係がないとはいえ、その指標となるはずだ。ですから、今週の強いアジェンダが市場を導くでしょう」とワン・インベスティメントスのパートナーは付け加える。
 弱いデータとパウエル議長のスピーチを受け、ダウ平均は0.20%、S&P500は0.51%、ナスダックは0.58%それぞれ上昇した。
 投資家の注目は、ジョルツ雇用統計とベージュ・ブックの発表だった。前者では、労働省の月例調査によると、米国の1月最終日の新規雇用者数は2万6,000人減の886万3,000人と、わずかに減少した。FRBのベージュブックによると、金融当局は、1月から2月中旬にかけて米国では物価上昇圧力が続いたものの、米国のいくつかの地区ではインフレがやや緩やかになっているとの報告がされた。
 ノモスのエコノミスト兼投資ディレクター、ベト・サーディア氏の評価では、FRB理事会からのシグナルはソフトな方向に向かっており、昨年末に検討されていた利下げ幅は縮小されている。「FRBの利下げ幅は、昨年末に検討されていた7回から3~4回に縮小され、市場の予想通りとなっています」
 中国経済への新たな刺激の兆しにもかかわらず、サーディア氏は、中国のニュースはIbovespaにほとんど影響を与えなかったと言う。「ほとんど影響はありません。FRBにスポットライトが当たっているのです」
 国債が下落したため、ドルはブラジルレアルに対して強さを失った。アメリカの通貨はブラジルの通貨に対して0.21%下落し、売り気配値買い気配値ともに4.945レアルとなった。

 

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