『オキナワサントス』上映会=文協で10日、入場無料

案内に編集部を訪れた上原ミルトン定雄上映会実行委員長、高良律正沖縄県人会会長、石川レナト文協会長、宮城あきら沖縄移民研究塾代表、西尾ロベルト文協副会長、島袋栄喜沖縄県人会元会長(左から)

 サントス強制退去事件を描いたドキュメンタリー映画『オキナワサントス』(90分、松林要樹監督)の上映会が10日午後1時から、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会(文協)ビル大講堂(R. São Joaquim, 381)で行われる。日本語とポルトガル語の字幕付き。入場無料。ブラジル沖縄県人会、文協、サンパウロ人文科学研究所の共催。
 同作ではブラジル政府が第2次世界大戦中に聖州サントス市在住の日本人・日系人居住者に対して行った24時間以内の強制退去命令によって引き起こされた様々な悲劇的な事件を取り上げる。
 当時、サントス市には沖縄県系人が多く暮らしており、事件被害者の約6割が沖縄県系人だった。
 上映会はこれまで各地の沖縄県人会館などで行われ、今回で8回目となる。過去の上映会では「初めて知って衝撃を受けた」「二度と同じようなことが起きてほしくない」などの感想が寄せられた。
 沖縄県人会の島袋栄喜元会長は「ブラジルではあまり知られていないが、サントス強制退去事件は日本人移民史の非常に悲しいエピソードだ。現代の大人たちの多くも知らない。何が起こったのかを記録することは重要だ」と同作の持つ価値と上映会を行う意義について強調した。
 文協の石川レナト会長は、日系、非日系を問わず歴史を知ることは重要であると述べ、「サントス強制退去事件は沖縄県系人の歴史だけではなく、日系社会の歴史。上映に協力でき誇りに思う」と上映会開催の重要性を語り、来場を呼び掛けた。

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