ヤマトグループ=本格揚げ物専門店で勝負=「アゲカズ」4日に開店

本田夫妻(中央)とアゲカズ従業員の皆さん(Estúdio Bulgari)

 ヤマトグループ(本田総一郎代表)は3月4日、揚げ物専門店「アゲカズ(AGUEKAZU)」を、サンパウロ市パライゾ区(R. Dr. Rafael de Barros, 70)にオープンする。同店ではメインとなる揚げ物からデザートまで合わせて80種類以上の豊富なメニューを楽しむことが出来る。

和モダンな店内(Estúdio Bulgari)

都心アクセス良好
お昼は揚げ物定食で

 アゲカズは地下鉄ブリガデイロ駅から徒歩5分の位置にある。近くのパウリスタ大通りには日本文化広報施設「Japan House」もあり、日本食店としてはかなりの好立地だ。
 営業開始時間は午前11時30分からで、昼食にぴったりの定食メニューには、ブラジルでもすっかり親しまれた豚カツやコロッケを始め、味噌カツ、メンチカツ、牡蠣フライなど14種を用意。定食には漬物、ごはん、キャベツ、味噌汁または豚汁が付き、値段は45レアルからとリーズナブルだ。ごはんとキャベツはお代わり自由。各種揚げ物をのせたカレー類やかつ丼、味噌カツ丼などのどんぶり類も販売する。

夕方からは本格「串揚げ」
「牛筋土手煮」など一品料理も

 午後5時以降はブラジルでは珍しい「串揚げ」を提供する。
 串揚げは、肉や野菜、海鮮などの具材を一品一品、丁寧に串に刺して衣をつけて揚げた料理。関西地方では串カツと呼称されている。大阪や東京などには専門の名店があるほどの人気料理だ。
 同店では、薄切り肉を重ねて揚げた「ミルフィーユカツ」や、「鶏しそ梅」などの肉系、玉ねぎや椎茸などの野菜系など11種を用意。一本10レから楽しめる。
 今後は、同店内中央に位置する串揚げ場「舞台」で、串揚げの本場東京銀座や大阪北新地などで行われている予約制創作串揚げコースの提供を計画しているという。

 店舗責任者の本田南帆さんは、「実際に東京の串揚げ店まで足を運んで試食し、どうすれば日本の串揚げをブラジルで提供できるか皆で研究しました。特に揚げ物の食感を左右するパン粉の研究には苦労しました。いろいろと試した結果、グループ系列店『カズケーキ』のノウハウを活かして自社でパン粉を製造し、日本の美味しい味を再現しています。また、豚カツに使う豚は、脂身に甘みがありつつも、さっぱりした味わいのデュロック豚を選びました。とんかつソースは野菜と果物から煮込んで作ったオリジナルソースです。ぜひご賞味ください」と呼びかけている。
 串揚げ以外にも「牛筋土手煮」や「牛刺し」、「揚げパン入り自家製ドレッシングのサラダ」、「揚げじゃがバター」など多様な一品料理も提供される。

こだわりデザート
カズケーキ商品も!

 デザートには系列ケーキ店「カズケーキ」で人気のシュークリームやティラミス、揚げたフレンチトースト串にバニラアイスをのせた「串トースト」、アイスクリームに古酒をかけたマリアージュスイーツ「古酒かけアイスクリーム」など同店オリジナルの変わり種デザートや特製コーヒーを用意している。

総料理長に高尾大介さん

 同店で総料理長を務める高尾大介さんは、これまで料理人としてサンパウロ市の人気料理店「割烹みやび」や「伴」などを立ち上げた故・原口政信さん、「藍染」の元オーナーシェフだった小池信さんの下で勤め、直近ではリオの高級レストラン「Xian Rio」に勤めていた。

お洒落で落ち着く
「和モダン」な店内
多様なシーンに対応

 店内意匠は、日本の和室とモダンデザインを融合させた「和モダン」を意識した設計になっている。
 安心してゆっくりとくつろぐことができるソファー席や、串揚げ料理を目の前で楽しめるカウンター席、バーテンダー世界大会審査員Fabio La Pietra氏監修の本格カクテルが楽しめるバーカウンター、日本の商店街などの揚げ物店で見かけるテイクアウトカウンターも完備しており、来店時間帯に応じた多種多様な楽しみ方ができるよう設計されている。
 南帆さんは「都心のパウリスタという立地を活かして、お客様がレストランとしてだけでなく、色々な用途でお使いできるよう、店内設計を工夫し、営業時間も平日と土曜日は休憩を2時間のみにして、日曜日は通し営業にしました。将来的には毎日通し営業をできるようことを考えています。ぜひお越しいただき、心から楽しんでいただきたいです!」と語った。
 同店の詳細はインスタグラム公式アカウント(@aguekazuoficial)から確認できる。予約や新情報は同店(電話11・3284・9390)まで。写真撮影=Estúdio Bulgari


サンパウロ日本食業界の一翼を担うヤマトグループ

 ヤマトグループの中心企業「ヤマト商事」は、1991年に社長髙木和博氏(たかぎかずひろ)、副社長前田房徳氏(まえだふさのり)ら3人によって創設され、ブラジルへの日本酒や日本産食品の輸入事業を行ってきた。飲食業界に進出してからは本格味噌ラーメン店「らーめん和」や、和食店「エスパッソ和」、日本ケーキ店「カズケーキ」などをサンパウロ市に展開し、サンパウロ日本食業界の一翼を担う存在として知られるようになった。
 2022年に社長を髙木氏から娘婿の本田氏に交代。本田氏は貿易部門を主に担当し、飲食部門は髙木氏の一人娘で、本田氏の妻の南帆氏が管理するなど、夫婦二人三脚でグループ経営を行っている。

◆店舗情報
揚げ物専門店「アゲカズ(AGUEKAZU)」
住所: サンパウロ市パライゾ区(R. Dr. Rafael de Barros, 70)

◆営業時間
月曜日~土曜日
【ランチ】午前11時30分から午後3時
【ディナー】午前5時から午後11時
日曜日
【通し営業】午前11時30分から午後5時30分

◆ラストオーダー
月曜日~土曜日:午後10時30分
日曜日:午後5時

◆時間別対応メニュー
月曜日~金曜日
【ランチ】定食、どんぶり、デザート、テイクアウト、カクテル
【ディナー】ランチ時間に加えて一品料理と串揚げ
土曜日・日曜日は全メニュー提供

◆テイクアウトカウンター
月曜日~土曜日
【ランチ】午前11時30分から午後3時
【ディナー】午前5時から午後7時
日曜日
午前11時30分から午後5時

※土日はどちらも営業開始から全料理提供になりました。ただし、土曜日は中休憩があり、日曜日は通し営業です。

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