EUメルコスル=今年の協定締結ムリの声も=交渉再開は欧州議会選挙後

交差する欧州旗とメルコスル旗(Foto:Rr Gimenez , via Wikimedia Commons)
交差する欧州旗とメルコスル旗(Foto:Rr Gimenez , via Wikimedia Commons)

 メルコスルと欧州連合(EU)との自由貿易協定締結について、ブラジル政府は1~2月を条約調印の大きな「好機」と見ていたが、結局それは実現せず、事実上白紙に戻した。3月に入り、欧州議会選挙が始まったことで、今年はこれ以上何も前進しない見込み、と1日付ヴァロール紙(1)が報じた。
 EUのウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン委員長は協定締結に積極的だが、6月初旬に予定されている欧州議会選挙に注力する必要があり、協定締結のために十分な時間やリソースを割くことが難しいと見られている。さらに、再選を目指している同氏にとり、協定締結に強く反対しているフランスの影響は大きい。マクロン大統領は自国の農業部門が協定によって大きな影響を受ける可能性を懸念し、交渉の撤回を促している。
 メルコスルの他の加盟国も同様の見解を持っている。アルゼンチンのディアナ・モンディーノ外相は先週、「異なる意見」によって貿易協定は事実上実現不可能になったと示唆した。「すべての関係者の利益を考慮した適切な解決策を見つけるのは困難であり、小さな部分に分割し、個別に対処する必要があるかもしれない」と述べた。
 この発言は、リオ市で開催されたG20外相会議の前夜、フランスのステファヌ・セジュルネ外相がブエノスアイレスを訪問した際になされた。同氏は、「アルゼンチンや他のメルコスル加盟国はブロックとして機能しており、EUではない他の地理的地域と協力を続けることになるだろう」と付け加えた。
 セジュルネ外相は「このままでは満足はいかず、協定は通らない」とし、同協定を打ち切ることを強調。経済と文化の両分野で他のタイプのパートナーシップを提案した。
 2月29日付エスタード紙(2)によると、G20外相会議の招待国であるポルトガルのフェルナンド・メディナ財相も、交渉再開については欧州議会の選挙後まで延期される見通しだと述べた。ポルトガルはEUとメルコスルとの商業協定に強力な支持を示し、合意がEU全体にとって有益であるとの立場をとっているが、欧州は現在インフレ危機の後で、選挙も控えているため、新しいEU議会発足までの間は、合意に関する重要な決定が先延ばしにされる可能性があるとした。
 また、現在、メルコスルの輪番議長国であるパラグアイのサンティアゴ・ペーニャ大統領は、同協定が今年中に締結される可能性を否定したと、2月29日付ウルチモ・セグンド(3)が報じた。この発言は28日、公式訪問中のスペインで行われた。
 ペーニャ大統領は記者会見で、自由貿易協定について「終わった」とは断言することは避けたが、「今年中に実現することはないだろう。我々は率直でなければならない。EUから見て、協定を結ぶための条件は整っていない」と述べた。

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