「日系社会に恥じない演技を」=大野さんが映画モニカ出演=大人気インフルエンサー

@yuma_ono

 

DC役を演じた大野優真さん(映画公式インスタグラムより)

「日本人、日系人、アジア人として恥ずかしくない、映画を観た皆が日系社会に憧れを持つような演技ができるよう努力しました」――ブラジル在住の若き日本人インフルエンサー大野優真さん(23歳、大阪府)が現在伯国で上映中の『Turma da Mônica Jovem』で映画初出演を果たし、撮影時の心境などを語った。

 『Turma da Mônica Jovem』は、ブラジルの漫画家マウリシオ・デ・ソウザ氏の人気作品『モニカと仲間達(Turma da Mônica)』のシリーズ作品の一つ。青年に成長した同漫画の主要キャラクターたちが織り成す青春物語を描いている。同作品は今年実写映画化され、1月18日に公開された。
 大野さんは日系人キャラクターのマウリシオ役を演じた。マウリシオは、作品内で「天邪鬼」を意味する「DC(Do Contra)」というあだ名で呼ばれている。キャラクターモチーフは、マウリシオ氏と妻アリセさん(二世)との間にできた息子となっている。
 大野さんの父は現在のダイソーブラジル取締役社長の大野恵介さんで母は画家の歩さん(あゆみ)さんだ。2000年に優真さんは大阪市で生まれ、生後間もないころは同市で育てられた。恵介さんは、当時の東山農場の農場主である岩崎透氏に以前から話を持ちかけられていた同農場のプロジェクトに参画する為、01年に渡伯。02年に歩さんと優真さんが後をおって渡伯移住した。
 優真さんは現在、名門私立大学ジェトゥーリオ・バルガス財団(FGV・Fundaçâo Getùlio Vargas)経営学部に在籍する学生。学業の傍ら、動画投稿アプリ「Tiktok」で活動を行い、490万人のフォロワー数を持つ人気インフルエンサーとなっている。
 優真さんは、2020年のコロナ禍が始まった頃にTiktokでの活動を始めた。当初は友人と共に、誰が一番フォロワー数を増やすことができるか遊ぶ程度の感覚だったが、日本のアニメや一時帰国した際に撮影したリアルな日本紹介動画が人気を博し、一躍人気インフルエンサーとなった。今ではブラジルの日系企業などからの宣伝依頼も多く請け負っている。
 今回の映画出演は、映画製作会社から優真さんの事務所を通じて、登用審査参加の依頼があり、実際に受けたところ、オーディションを受けたところ即採用されたという。
 優真さんは、「今まで演技の仕事はしてこなかったので、まさか受かるとは思っていませんでした。しかも、子供のころに読んでいたあのモニカの映画に…。驚きましたが、光栄なことと思って日系社会の恥にならないように頑張りました」と語った。
 続けて、「私以外、全員演技経験者だったので、とにかく足を引っ張らないように四六時中演技の練習をしていました。プレッシャーはありましたが、映画関係者や家族、友人など皆が一丸となって支えてくれたので、いい作品ができたと思います」と述べた。

試写会の様子(映画公式インスタグラムより)

 また同映画の見どころについて、「思春期ならではの悩みや成長が巧みに表現されています。サスペンス要素もあるので、子供だけでなく大人も楽しめる映画です。老若男女関わらず、ぜひ映画館で見て楽しんでほしいですね」と語った。
 今後については、「次回はもっといい演技ができるように演技の教室に通おうと思っています。もし、興行成績がよく、続編がでたら観客をもっと魅了できるような演技がしたいですね。いろいろな経験をして、将来は日伯の架け橋になるような人材になって、日系社会や日本文化のいい部分をブラジルにもっと広められるようになりたいです」と笑顔で述べた。

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