SNS成功で夢の美容院開業=路上生活夫婦が華麗なる転身

マロカ夫妻のホームレス時代(左)と美容院を開業した現在(右)(16日付テラ・サイトの記事の一部)
マロカ夫妻のホームレス時代(左)と美容院を開業した現在(右)(16日付テラ・サイトの記事の一部)

 【既報関連】1月25日付(1)で報じた「Maloka(いかれた)夫婦」として知られる、元ホームレスのトランスジェンダー同性愛カップルが、驚くべき転身を遂げている。昨年末、路上生活の様子をSNSで発信し始めたことがきっかけで二人はインスタグラマーとして大成功し、歯科治療のスポンサーが現れて外見を一新して路上生活から脱却、慈善活動して他人を助ける活動も始めた。この度、二人はフォロワーの助けで美容院までオープンしたと16日付テラ・サイト(2)が報じている。
 トランスジェンダー美容師ガブリエリー・ミゲルさん(25)と、アプリ配達ドライバーのドウグラス・マルティンスさん(33)の生活は、たった1カ月で一変した。6年前から交際している二人は、サンパウロ州サントス市の歩道で、愛犬ミライニと共に2年間のテント生活を送っていた。ドウグラスさんはアプリの配達員の仕事を見つけ、その勤務中に知り合ったアレシャンドレさんが、すべてを変えるきっかけとなった。
 アレシャンドレさんが二人に携帯電話を貸し出し、SNSアカウントを作成して、路上生活ながらも、清潔好きでキチンとした日常生活を送る二人の姿に好感を覚えたネット視聴者が拡散し始め、一気に関心が高まった。投稿開始わずか1週間でフォロワーが100万人に激増し、人気を集めた彼らに市内のある住民が空きアパートを格安で貸し出すことを申し出た。
 さらに、カップルは歯科クリニックのオーナーからオファーを受け、審美歯科治療が無償で提供された。抜歯やインプラントの埋め込み、そしてセラミックの装着などの処置が行われ、彼らは別人のような笑顔を手に入れた。
 昨年末まで路上生活者だったカップルは現在、インスタグラムだけで200万人以上のフォロワーを持つ有名人に変貌し、世間からの賞賛を集める存在に様変わりした。
 二人がビジネスを立ち上げることができたのも、フォロワーの支援があったおかげだ。今回の美容室「スタジオ・ガブリエリー・ミゲル」はクラウドファンディングから生まれたからだ。当初、寄付金を募った目的は新居の家具を購入することだった。だが彼らのファンが名乗り出て、家具や家電の全代金を支払ってくれた。
 その結果、集めた資金を、夢だった美容サロンの開業に充てることができた。美容院はガブリエリーさんの故郷、同州サンジョゼ・ドス・カンポスに開業した。彼女は今、3人の従業員をかかえる経営者となり、ヘア、ネイル、まつ毛、眉毛のケアサービスを提供している。
 マロカ夫婦は「困難は乗り越えられる! 私たちは今日、美容院をオープンするという夢を叶えた。この特別な瞬間を支えてくれた全ての協力者に感謝します!」とSNSに綴り、フォロワーと喜びを共有した。

 

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