犯罪者が警官の顔面に早撃ち=ボディカメラがその瞬間を記録

 

 サンパウロ州沿岸部で2日、軍警エリート部隊「ロタ」所属のサムエル・ウェズリー・コスモ氏(35)が、ファベーラの密集家屋群を捜索中、犯人に顔面を撃たれて死亡、同氏が装着していたボディカメラがその瞬間をとらえていた。公開された映像には犯人が突然目の前に現れて発砲して走り去る様子が鮮明に記録されており、その緊迫した状況が見る者を震撼させた。4日付ポデール360など(1)(2)が報じている。
 この事件は、麻薬の取引地点として知られるサントス市ボン・レチロ地区のジョゼ・ラ・マッシア広場で起こった。コスモ氏は2人の警官と共にファベーラ(貧民街)を定期巡回中、単独で迷路のような路地を引き返したところで、青いジャケットと黒い短パンを着た男が急に現れた。次の瞬間、警官は銃を構えようとしたが、警官に向け素早く発砲して逃走した。
 コスモ氏は顔面を撃たれて地面に倒れ込んだが、カメラは撮影し続けていた。すぐに市内の病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。事件現場では携帯電話、弾倉、9ミリ弾の薬莢(やっきょう)ケースなどが押収された。
 ギリェルメ・デリテ州保安局長は同日、Xを通して「我々は遺族を全面的に支援し、犯人を一刻も早く逮捕できるよう全力を尽くす」と声明。コスモ氏の死に関与した人物の居場所の特定と逮捕を目的として、同地域で警察の活動を一層強化している。
 エスクード作戦はグアルジャ市で巡回中の軍警特別部隊のパトリキ・レイス氏の死亡を受けて、2023年7月に始まった。同作戦の第1回目は警察による報復の様相を呈し、合計で28人が撃ち合いなどで死亡。958人が逮捕され、うち382人が司法当局から指名手配された。117丁の銃器と977キロの麻薬が押収された。
 今回は1月末に軍警のマルセロ・アウグスト・ダ・シルバ氏が殺害された後に始まった第8次エスクード作戦で、5日時点ですでに7人の死者が出ている。警察と犯罪グループによる報復合戦は白熱する様相を呈しており、まだまだ死者が増えそうだ。

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