腐敗認識指数でブラジル低迷=180カ国中104位に

ブラジリアの国会議事堂(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
ブラジリアの国会議事堂(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 腐敗・汚職の防止に取り組む国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が30日に発表した「2023年版世界腐敗認識指数(CPI)」において、ブラジルは前年より順位を10下げ、104位となった。同日付メトロポレ(1)などが報じている。
 CPIは、調査対象となった180カ国の公共部門の健全性を、専門家やビジネスパーソンがどのように見ているかを測るものだ。スコアの範囲は0〜100で、0は「非常に腐敗している」、反対に100は「非常に誠実である」を意味し、スコアが高いほど、その国の透明性は高いとみなされる。
 23年版でのブラジルの評価は、前年の38点から36点へと2ポイント低下。その結果、CPIランキングは94位から104位へと、10も順位が下がった。これは、同指数が算出され始めて以来、ブラジルが獲得したスコアの中で2番目に悪いものである。2018年と19年はわずか35点だった。
 この結果、ブラジルはアルジェリア、セルビア、ウクライナといった国々と肩を並べることになった。ブラジルの評価は、世界平均と南北アメリカ地域全体の両方の平均値である43点を下回り、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均の66点には遠く及ばなかった。
 CPIランキングで最上位だったのはデンマーク(90点)で、フィンランド(87点)、ニュージーランド(85点)、ノルウェー(84点)、シンガポール(83点)が続いた。日本は73点を獲得し、16位だった。
 最も評価が悪かった国はソマリア(11点)で、ベネズエラ、シリア、南スーダンがそれぞれ13点、イエメンが16点で続いた。
 TIは、23年のブラジルは「汚職をコントロールするための政治的支柱の再建に失敗した」と評価した。同団体の報告書では、ボルソナロ前政権では「国内の汚職との戦いが後退」と評価されている。
 30日付G1(2)では前政権のマイナス部分を強調され、「ボルソナロ前大統領の任期中の経験は、ブラジルが何十年もかけて築き上げてきた法的・制度的な汚職防止の枠組みが、わずか数年で解体されかねないことを示した」と報じられた。
 一方、同メトロポリ報道では現政権のマイナス点が強調され、ルーラ大統領の元弁護士であるクリスチアーノ・ザニン氏が最高裁判事に選出されたこと、連邦検察庁の新長官パウロ・ゴネ氏が検察官が互選した三者リスト以外から選ばれたこと、最高裁の判決によってオデブレヒト社の公正取引に関する証拠が無効とされ、さらにJ&Fグループが締結した契約の罰金も取り消されたこと、中道勢力セントロンの権限強化などが挙げられている。
 それらが相まって、23年のスコアは2点、順位は10も落ちたようだ。

最新記事