小寺会頭「日本とブラジルの融合を推進」=商議所新年会に144人

鏡割りを行う来賓らと小寺会頭(左から2人目)(写真提供:Rubens Ito/CCIJB)

 ブラジル日本商工会議所(小寺勇輝会頭)は19日、サンパウロ市のブルーツリーモルンビホテルで新年会を開催し、144人が参加した。旧知の企業関係者が新年のあいさつを交わし、昨年に続き官民ともに日本とブラジルの交流が盛んになる一年を期待して、ブラジルでの新たな門出を祝った。

 始めに村田俊典事務局長から特別参加者の、在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事、ブラジル日本文化福祉協会の西尾ロベルト副会長、サンパウロ日伯援護協会の税田パウロ会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の市川利雄会長、日伯文化連盟の福永カルロス副理事、ジャパンハウス館長代行のカルロス・ソウザ氏の紹介が行われた。

挨拶する小寺勇輝会頭(写真:Rubens Ito/CCIJB)

 挨拶に立った小寺会頭は、元日に能登半島で発生した地震の犠牲者へのお悔やみを述べた。その後、ロシアや中東での戦争による地政学リスクの高まりや、気候変動への対応、技術革新の進む世界情勢の中で、ブラジルはグローバルサウスとともに重要性が増していると語った。
 今年も日本とブラジル間で予定されている行事は多く、小寺会頭は「商議所はビジネスに関わる有益な情報発信やビジネス環境の改善につながるような意見、提言を取りまとめていきたい」と抱負を述べた。また、今年と来年で干支が「辰巳」となることから、竜が天に上るように株価も上昇し、天井に着く縁起の良い年とされていることを紹介し、「運気が上昇して大きな飛躍の年となることを期待している」と締めくくった。
 林禎二駐ブラジル日本国特命全権大使はビデオメッセージで挨拶を行った。昨年を振り返り、日本・ブラジル間で最も大きな進展となった両国への90日以内の訪問時の相互査証免除について言及。最近発表された統計では、昨年10月から訪日したブラジル人は約7300人で、2019年の10月と比較して約60%増加し、早速効果が見られているとした。「今年はこの査証免除を活用して観光や人々の交流がさらに拡大していくことを期待している」と述べた。

挨拶する小室千帆首席領事(写真:Rubens Ito/CCIJB)

 小室領事による領事館からの挨拶とお知らせでは、特に企業や個人からの問い合わせの多い令和6年能登半島地震に関する義援金などについて、在サンパウロ総領事館のウェブサイトで詳細に案内していることが伝えられた。また、サンパウロ州の治安は依然として回復しておらず、身近なところでも引き続き事件が多発しており、観光地であるサンパウロ市セントロ地区でも集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生していることから、領事館も地域の治安当局と協力関係を強化するなど在留邦人の安全確保に最善を尽くしているが、個々人でも細心の注意を払うように注意を喚起した。
 新年の鏡開きが行われた後、ブルーツリーホテルズの青木智栄子CEOにより乾杯の音頭が取られ、食事には同ホテルのシェフが工夫を凝らしたお節料理がふるまわれた。
 最期に、2024年度に新理事に就任した小野康信氏(丸紅ブラジル)と井上徹哉氏(ジェトロ)が所信表明を行い、2024年度の青年会議所(JCI)新会頭に就任した福原マリーナ氏も新任挨拶を行った。

新年会の会場の様子(写真提供:Rubens Ito/CCIJB)

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