福田雄基さん5回目のブラジル訪問=野球道具180kg分を寄付

ジガンテス・チームへの寄付(本人提供写真)

 「野球で繋がる世界の輪」を合言葉に、2016年からブラジルに野球道具を寄付する活動を続けている福田雄基さん(32歳、千葉県出身)が、昨年12月5日から12日までの1週間、ブラジルに滞在した。今回で5回目のブラジル訪問。ボール、グローブをはじめ、キャッチャー防具や運動靴など過去最高となる180kg分を持参した。サンパウロ州インダイアツーバ、サンジョゼ・ドス・カンポスやマリリアなど8地域を訪問したほか、サンパウロ市に来ていたリオ州チングアからの関係者にもボール等を寄付し、各地の少年少女たちに喜ばれた。
 福田さんによると、野球道具は日本の社会人野球チーム「東芝」から贈られた硬式球や自身の出身校である埼玉県立高校の後輩らが少年時代に使用していたグローブのほか、クラウド・ファンディングでは約80人から目標額の50万円を上回る63万8千円が集まったという。また、「自分はブラジルまで行けないから」と友人や知人から野球道具および寄付金を託されたり、仲間たちが福田さんの活動を口コミで広げてくれていることも大きい。
 今回の寄付活動で福田さんは、地域によって野球環境の格差が大きいことを感じたそうだ。「2回目の訪問となったサンジョゼ(・ド・カンポス)は野球場がなく、正直、『こんなに悪い環境の中でも野球をやっているのか』と思った」と振り返る。一方、初訪問となったマリリアでは、市が協力して7面の野球場が完備されており、地元のスポンサー会社を通じてキューバやベネズエラなど強豪国からコーチが派遣されていることをも目の当たりにした。
 それでも、ブラジル内では全体的に野球道具が足りていないと実感している福田さん。昨年も寄付を行ったグァララペス、アニャンゲーラやジガンテスの各チームでは寄付の影響で入部者数が増加しているという明るいニュースも伝え聞いた。「将来的に、道具を寄付した子供たちの中から日本のプロ野球や(米国)メジャーリーグで活躍する選手が出てほしい。そのためにも今後も寄付活動は継続していきたい」と思いを語る。

サンパウロ市議会から表彰され、記念プレートを贈られた福田さん(右から2人目、本人提供写真)

 そうした貢献が認められ、今回、サンパウロ市議会から表彰。ジガンテス・チームを訪問した際に記念プレートも授与された。今後、寄付活動はブラジルだけに留まらず、2024年1月下旬にはフォリピンのセブ島に後輩とともに野球ボール100個とグローブを届けるという。
 「世界に輪を広げていきたい」―。福田さんの活動は続く。

サビアの独り言

 自身で起業したマーケティング会社の仕事が本業である福田雄基さんだが、活動の幅は広く、筋力トレーニングでビルド・アップした身体を見込まれて日本のテレビ番組に出演したり、2024年1月下旬には「結婚」をテーマにしたネットフリックスでもデビューすることになったとか。さらに、起業後に詐欺被害に遭い、再起を図って現在のマーケティング事業を軌道に乗せるなど、自身の人生体験を綴ったインターネット書籍『筋肉で億稼ぐ(肉億)』もこのほど発刊した。好評発売中。

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