レアルとの契約を延長=セレソン見捨てたアンチェロッティ

カルロ・アンチェロッティ監督(2023年12月30日付テラ・サイトの記事の一部)
カルロ・アンチェロッティ監督(2023年12月30日付テラ・サイトの記事の一部)

 2022年にUEFAチャンピオンズリーグで監督として優勝4回という最多記録を作ったレアル・マドリッドのイタリア人監督、カルロ・アンチェロッティ氏が同クラブとの契約を2026年まで延長した。26年W杯を見据え、ブラジルのセレソン監督に就任する可能性が報じられていたが、その見込みは完全に消滅したと2日付グローボ・エスポルチなど(1)(2)が報じた。
 ブラジル代表はW杯で最多優勝5回を誇る強豪だ。でも2022年W杯で不甲斐なく敗退した後、ブラジルサッカー連盟(CBF)は外国人監督を初めて招聘する方針を明らかにし、当時のエジナルト・ロドリゲス会長がアンチェロッティ氏と直接交渉して成功したとの希望的な観測が流れていた。
 CBFはフルミネンセのフェルナンド・デニス監督と1年の契約を結び、24年6月にアンチェロッティが来るまで暫定監督として就任していた。だが昨年のW杯予選ではベネズエラと引き分け、ウルグアイとコロンビアに連敗するなど散々な成績となった。その上、昨年12月にロドリゲス会長がリオ司法裁判所(TJ-RJ)から会長解任の判決を下され、大混乱が生じている。今セレソン監督に就任すればこの混乱に巻き込まれる可能性があると喧伝される中、アンチェロッティ氏の契約延長が発表された。
 アンチェロッティ氏は昨年末にレアル・マドリードの公式チャンネルで、「レアルは何よりも私にとって家族だ。会長をはじめ、このクラブが生み出す雰囲気はとても馴染み深い」と感謝しつつ、2024年6月までの契約を26年までに延長する合意を締結した。
 同氏はCBFのロドリゲス会長(当時)と交渉があったことも明らかにしたが、レアル・マドリードとの交渉が優先だったとし、「チーム側も、私が当時のCBF会長であったエジナルド氏と接触していたことは知っている。彼はセレソンの監督として私に興味を示してくれたので、とても光栄だった。だがレアル・マドリードでの状況次第だった。エジナルド氏はCBFの会長ではなくなった。結局、物事は私が望んだ通りになった」と2日の記者会見で語った。
 同監督はレアル・マドリードで2度目の指揮をとり、260試合で188勝41分け31敗の成績を残している。あと3試合で前監督のジダン氏に並び、チーム内で2番目に試合数の多い監督となる。
 スポーツ紙「The Athletic」によると、新契約の終了後、同氏はレアル・マドリッドでの別の役割に就く可能性があり、これは契約に規定された条項によるものだという。
 アンチェロッティ氏は「これが私の最後の仕事だ。いつ終わるかは分からない。26年は部分的なものかもしれないし、そのあともまだここにいるかもしれない。どれだけ成功するかによる。最後のトレーニング年かもしれないが、ここで何か自分にできることがあるかもしれない」と述べ、将来の展望を示唆した。

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