【2024年新年特集号】飛躍の年に=在サンパウロ日本国総領事 清水 享

在サンパウロ日本国総領事清水享(外務省提供)

 新年あけましておめでとうございます。

 皆様におかれましては、どのような元旦を迎えられましたでしょうか。ここサンパウロ市では、昨年来暑い日も多いようですが、午後になって雲が出て夕方近くからスコールのような雨が降ると涼やかで、市内に居ても清澄な空気を感じることができます。そのような中でも、年があらたまってからは、人も自然もまた新しい息吹を得てくるような気がいたします。
 さて、私は、昨年11月に在サンパウロ日本国総領事として着任し、ひと月半が経ちました。着任直後から、様々な会合や行事に参加させていただき、日系社会の皆様とお目にかかる機会を多く頂きました。その中で、広範な分野で御活躍されている日系人の方々と出会い、皆様の溢れんばかりの日本への熱い想いをひしひしと感じとることができ、改めて当地の日系社会の大きさや深さを実感いたしました。
 日系社会の皆様は、115年以上にわたり日本とブラジルとの絆を紡いでこられました。この絆は、日伯両国の友好関係の重要な礎です。この長い歴史の中には、多くの困難があり、先人の方々は大変御苦労されたと伺っておりますが、その様な状況下でありながらも、先人達は、創意工夫を凝らし、ブラジルと日本の発展に貢献し、ブラジル社会から高い信頼を得てこられました。
 年の初めにあたり、私は改めてこれら先人を敬慕し、艱難辛苦に立ち向かいつつ、創意工夫を重ねて今を築いてこられた先人達の知恵と勇気、進取の気性に学びたいとの思いをあらたにしております。
 昨年は、新型コロナウイルスによるパンデミックの収束に伴い、日本とブラジル間の交流が大きく活性化し、人の往来が多くありました。日本からは、地方自治体の知事・副知事・県議会議長等慶祝団の皆様が来聖され、各県人会との交流や県産品プロモーションが行われました。また、9月末からは、我が国においてブラジル人向けの短期査証免除が実現しました。ブラジルにおける日本人への短期査証免除措置も継続となっております。このような両国間の円滑化措置により、これまで以上に人的交流が活発化されることでしょう。
 また本年は、ブラジルがG20の議長国となり、11月のリオ・デ・ジャネイロでのG20首脳会合を始め、年間をとおしてブラジル各地で様々な会合が開催されます。昨年以上に活発な1年となることでしょう。
 今年は辰年、龍の年です。皆様にとって、昇竜のように勢いと元気がある、飛躍の年となりますよう祈念いたしまして、私の新年の御挨拶とさせていただきます。
 本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。

令和甲辰正月

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