【2024年新年特集号】日伯関係を更に強化する年に=駐ブラジル日本国特命全権大使 林禎二

林禎二大使(外務省提供)

 新年明けましておめでとうございます。また、ブラジル日報「新年特別号」の発行をお祝い申し上げます。ブラジル日報の日系社会に対する貢献に敬意を表するとともに、今後もブラジルにおける日本関連情報の発信、日本文化や日本語の普及、日系社会の連携の強化といった様々な面で重要な役割を果たし続けていくことを期待しています。

 ブラジルにおける200万人以上の世界最大の日系社会と、日本における約21万人のブラジル人コミュニティという特別な絆は、両国の友好関係にとって最も重要な礎です。1908年に最初の日本移住者がサントス港に到着して以来、日本人移民およびその子孫の方々は幾多の困難をその努力と忍耐によって乗り越え、ブラジルの発展に大きく貢献するとともに、様々な形で日本が大切にする価値や、日本の文化を普及してこられました。
 私自身、昨年11月に、このサントス市を訪問させていただき、改めてこの長きに渡る歴史に思いを馳せました。両国の友好の架け橋として日本とブラジルを強く結びつけてこられた日系人の皆様に対し、改めて、感謝の意を表します。
 昨年は、5月にルーラ大統領がG7広島サミットに招待され、訪日するなど日伯の友好関係は一層深化しました。その結果の一つが、ブラジル人に対する短期滞在査証免除措置です。私は、2021年12月にブラジルに着任して以来、日本とブラジルの距離を一層近づけるため、個人的な思いを持って、この措置の実現に尽力してきました。
 既に日系人を含む多くのブラジル人の方々が、査証取得をする必要なく、パスポートだけを携えて訪日していただいており、両国の人的な交流はますます盛んになりつつあります。引き続き、より多くの皆様に気軽に日本を訪れ、様々な魅力にあふれる日本を満喫されることを願っています。また、観光の促進を契機として、更に人的交流、経済・文化交流が一層活性化するよう希望します。
 2024年は、ブラジルがG20の議長国となり、日本から要人を含めた多くの方がブラジルを訪れます。両国にとって重要な年となる本年、日ブラジル関係を更に強化していきたいと思いますので、日系社会の皆様との協力、交流を一層推進していきたいと思っています。
 皆様にとって、2024年が素晴らしい年となることを心から祈念いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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