19日夜、締め切り後のいつもの作業として、見逃していたニュースや不足していた情報の確認を行っていたところ、ヤノマミ族の少女が集団強姦に遭ったとの記事(1)を見つけた。
ヤノマミ族は金の不法採掘を行う鉱夫達による環境破壊や暴力行為、金の精製に使う水銀による水質汚濁などで、保健衛生上の非常事態宣言の対象となっている部族だ。
金鉱夫達に集団強姦された後に殺された少女がいたという事件もあったが、今回は、同じ部族の15~27歳の青少年が、健康上の問題がある先住民達に対応するヤノマミ族の保健センターともいうべき施設で、少女に酒を飲ませて強姦したという事件だった。傷害や性暴力の罪で4人が逮捕されたという。
少女が意識のある状態で強姦されたのか、意識を失った後に性暴力が起きたのかは不明だが、またしても、心と体に傷を負った少女が生まれてしまった。性暴力の被害者はその悩みを口にできず、何十年も苦しむことを考え、胸が痛んだ。
男性にとっては一時の楽しみであり、慰みかも知れないが、女性にとっては家族や夫にさえ話せず、一生続く傷や悩みとなることを、どれだけの人が知っているのかとも思う。
ルーラ大統領夫人のジャンジャ氏も、SNSがハッカー被害に遭った時、性暴力にさらされる女性の多さを実感。本当に親しい女性に会うまでは泣くことさえできなかったという話を聞き、さもありなんと思ったのと一脈通じる話だ。
だが、20日朝、トウモロコシの皮で作られた2500体もの手作り人形のプレゼピオ(キリスト降誕の様子を表した人形や模型)が、パラナ州リオ・ネグロで展示されているという記事(2)を見つけ、ここにこそ本当の救いと慰めがあると思い、涙が流れた。
展示されているのは、1979年代に移住してきたドイツ人一家が作ったキリスト降誕当時の文化や生活を再現した「ベツレヘムの町」と、受洗、奇跡、死と復活などの出来事を表した「キリストの生涯の一節」という作品だ。
もちろん、人を救い、慰めるのはプレゼピオではなく、そこに表されているキリストだ。学生時代の知人の1人は高校生の時、クリスマスに関する絵を描くよう言われ、十字架上のキリストを描き、「キリストは苦しみ、死ぬために生まれたのだから」と説明したという。
先日はポ語の新聞にも「私達が誕生を祝うその方は苦しむために生まれた」という趣旨の文が書かれていた。人目に触れない馬小屋で生まれ、人知れぬ悩みや苦しみにも耐えた後、死にまで従ったキリストは、「不思議な助言者、平和の君」と呼ばれている。
皆が平和を願うクリスマスの時期に被害に遭った少女らも、心の底まで降りて来て下さる方、常に心の中に居て下さる方に思いの丈をぶちまけることで、人にも言えぬ重荷を下ろし、平安と慰めを得て欲しいと心から願わされる。(み)