全世界の殺人事件の1割占める=死者数4万5千超で最多

リオで起きた殺人事件の現場(Andréa Farias, via Wikimedia Commons)
リオで起きた殺人事件の現場(Andréa Farias, via Wikimedia Commons)

 世界で最も殺人事件が多い国のランキングで、絶対数でブラジルが首位に立った。これは、国連薬物犯罪事務所(UNODC)が8日に発表した最新調査で明らかになった。国内調査が示すブラジルの生活満足度の向上とは対照的に、厳しい現実が浮き彫りになった。同日付UOLサイトなど(1)(2)が報じている。
 同調査のデータ参照期間である2021年だけで、ブラジルは4万5562件の殺人を記録しており、これは世界全体で記録された45万8千件の10・4%に相当する。続いてインド(4万1330件)、メキシコ(3万5700件)、米国(2万2941件)、ミャンマー(1万5299件)となっている。また殺人総数の約27%が中南米とカリブ地域に集中した。
 一方、殺人率ではブラジルは人口10万人あたり22・38件となり、これは世界平均の5・8件と比較してほぼ4倍だ。
 世界規模で見ればウクライナ紛争やハマス侵攻など大変な数の死者が出ているようだが、そのような紛争やテロよりも、実は殺人事件による死亡者の方が多い。1時間に平均52人の犠牲者が出ている。21年に記録された殺人の総数は、武力紛争に関連する年間平均死亡数の4倍以上だった。40%が銃で、22%が刃物で殺されたと報告された。
 殺人被害者の81%は男性だが、女性は家族や親密なパートナーに殺される可能性が高く、家庭内殺人の54%、また親密なパートナーによる殺人の66%を女性が占めている。
 残念ながら、殺人の犠牲者のうち15%(7万1600人)が子供であり、人権活動家、環境活動家、コミュニティリーダー、ジャーナリスト、人道支援活動家などが殺害された事件は全体の9%を占めている。
 研究によれば、21年は特に殺人事件が多い年であり、前の3年間の平均である44万件の殺人を上回った。これは、コロナ禍での経済的な影響、とりわけ組織犯罪や社会政治的暴力、ギャング関連の暴力の増加が一因であり、全世界で22%、アメリカ大陸では50%を占めた。
 「『持続可能な開発目標(SDGs)』において掲げられた、あらゆる形態の暴力を大幅に削減するという目標に対して、まだ達成には程遠い現状を痛感した」とUNODC代表ガーダ・ワリィ氏はコメントしたと報じられている。

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