タンケ地区=「日本語劇を更に盛り上げる」=父の日、子どもの日祝賀会

日本語劇のネズミの村の様子

 アチバイア市タンケ地区日本人会(村上昭会長)は11月18日(土)、第32回「父の日、子どもの日祝賀会」を行った。タンケ地区では年に2回、「母の日」と「父の日・子どもの日」にお祝いをすることが恒例となっている。
 老若男女皆ワイワイ集まって、持ち寄り夕食を笑顔でほおばり、劇や歌、踊り、和太鼓を鑑賞するこの集まりを楽しみにしている人も多い。
 今回の出し物は、アチバイア川筋清流太鼓の演奏と、日本語で行われる日本人会の役員による演劇だった。一生懸命、心と音を合わせた力強い太鼓の演奏は、皆を楽しませた。
 また演劇は、日本語で行われるので、セリフがわからない人も楽しめるように、ジェスチャーを大げさに、音楽や効果音も工夫している。また、衣装や化粧を派手にし、見かけも楽しんでもらえるようにしている。
 今回の演目は、紙芝居というものを知らない子どもたちに向けた『タンケの紙芝居』。かわいい女の子がネズミの村に迷い込んでしまい、かわいそうに思ったネズミの長老が魔法をかけてネズミにして育てるという紙芝居から始まる。
 幕が開くとそこはタンケ村。優しい青年とおばあさんが汗を流し、畑を耕している。昼になり、おにぎりを食べようとすると、ネズミが出てきておにぎりをくれと言う。おにぎりをもらったネズミはお礼に得意の歌を歌った。

 また別のネズミがきて、おにぎりをもらい、お礼に民謡を踊った。劇中の歌や踊りは、観客の大好きなシーンの一つだ。また、青年はおにぎりのお礼に宝物をもらい、それを見ていた隣の悪い若者が無理やりおにぎりをネズミに渡し、宝物を分捕ろうとするが、優しい青年が悪い若者をやっつける。
 どこかの昔話でみたようなわかりやすい設定だ。そして、クライマックスにさしかかる。もともと人間の女の子だったかわいいネズミが、長老の魔法でもとの人間に戻るというシーンでは、真っ白い煙が立ち上り、ニンフが躍り、会場がどよめき笑いの渦に包まれた。
 そして、青年とかわいい女の子は、めでたく結婚ハッピーエンド。みんなで明るく楽しく踊りながら大きな拍手とともに幕は閉じた。
 60回以上演じられてきた劇は、今後も年に2回、継続していく。『日本語劇を更に盛り上げて後世に伝えたい!』と杉野孝さんと青山明正さんらは熱く語った。喜ばしいことに、来年はもっと若い人を演者に加える計画が今から始まっているという。

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