スタートアップが先進農業支援=農場用通信塔でハイテク管理

農業地域に設置された通信塔(11月30日付インフォ・マネーの記事の一部)
農業地域に設置された通信塔(11月30日付インフォ・マネーの記事の一部)

 アグリビジネスに特化した電気通信およびIoT関連のスタートアップ企業ソル社は、2023年末までにブラジルの農地面積の15%にインターネットを導入するという目標を達成すべく躍進中だ。農地でネットが使えれば、リアルタイムで土壌分析するなどの高度なデータ管理をするハイテク農業が可能になる。
 設立からたった3年で、同社は活動範囲を1200万ヘクタール(ha)に拡大し、国内の穀物栽培面積7800万haのうち、6万3000haを既にカバーしている。11月30日付インフォ・マネー(1)が報じている。
 ソル社は、農業地域に新たに100基の通信塔を設置する契約を締結したことを、顧客名を伏せたまま明らかにした。これにより、同社のアグリビジネス専用インターネット・インフラは国内450基に増加する。
 現在、このスタートアップが管理する電波は、農村部に位置する6万3千もの不動産に提供されている。そこにはAmaggi社、Scheffer社、Bom Futuro社、Girassol社といった大手グループを含む。さらに最近はTereos社との提携を発表し、工場エリアだけでも17基が設置される予定だ。
 実業家ジョゼ・リカルド・レゼック氏が率いるRZKグループの一員であるソル社は、20年12月に設立。10万ha以上の土地を所有し、大豆、トウモロコシ、米を栽培している他、4万2千頭の牛を飼育している。また、農業機械メーカーJohn Deere社の代理店でもある。農業以外にもメディア、エネルギーの生成と販売、コンセッションの分野でも事業を展開している。
 ソル社CEOであるのロドリゴ・オリヴェイラ氏は、「John Deere社の製品は土壌データや生産性など、さまざまなデータを収集するための高度な技術が搭載されているが、現場での通信環境の悪さがその技術活用を妨げていることに気づいた。これが弊社誕生のきっかけとなった」とし、通信会社と現場の仲介役を担うビジネスモデルを開発した。
 同社は電気通信およびデータ管理プロジェクトについて農業生産グループと交渉中で、その中には現場で収集したデータを送信するためのネットアンテナ設置も含まれる。
 同氏は「我々は機械、気候、土壌などのデータが別々になっていることに気づいた。畑のデータを収集し、ネットを使って生産者の意思決定のために一つの環境にまとめた」とは述べる。
 インターネット通信が進歩してデータがリアルタイムで生成・収集されるようになり、ソル社はブラジルのアグリビジネスにおける効率性と革新性をさらに高める可能性を示す。
 同社は現在、金融分野で新ビジネスを展開するための準備を進めている。2024年第1四半期にアグリビジネス向けの融資保険を発表する予定で、既に銀行や保険会社と協議を進めている。

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