郷土のわらじ音頭を初披露=第55回アチバイア福島盆踊り

櫓を中心に輪になって盆踊りをする様子

 福島県人会アチバイア支部(乾トシオ支部長)が主催する「第55回福島盆踊り」が11、12日に、同市コンベンションセンターで盛大に開催され、ブラジル人も多く含む数百人が和やかに輪になって踊った。
 1968年、当時の木村守江(もりえ)福島県知事から贈られた2台の太鼓が、アチバイア初の盆踊り大会のきっかけとなった。日本人大工が櫓を組み、福島の相馬盆唄を知っていた1世の仲間を頼りに、市内中心部で最初の盆踊り大会が開催された。

ブラジル福島県人会事務局長の渡辺三男氏、福島県人会アチバイア支部の乾トシオ支部長、アチバイア市長の小野エミル氏、ブラジル福島県人会会長の佐藤フランシスコ・ノリユキ氏、同県人会文化理事の佐藤クリスティアーネ氏

 11日午後遅くに行われた盆踊り開幕式では、小野エミル市長代理として、アチバイア市のガブリエル・ソラ農業局長が挨拶を行い、このイベントの重要性と同地域における日系コミュニティの存在感を強調した。在サンパウロ総領事館の山内隆弘領事部長は、この文化行事を長期にわたって維持してきた同支部を賞賛した。
 福島県人会の佐藤フランシスコ・ノリユキ会長は、盆踊りの意味を説明し、翌日には福島の代表的な踊りである「わらじ音頭」の練習会があることを発表した。

高知よさこいグループ「RYO」は福島県人会員のために「わらじ音頭」の練習を指導した

 式典挨拶ではアチバイア盆踊りの開催に尽力している人々への賛辞が続いた。
 乾支部長とその娘マリさん、今年のコーディネーターの鈴木カイオさんが櫓に上がり、他の太鼓奏者とともに「相馬盆唄」を演奏し、歌い、観客は踊り始めた。
 焼きそば、から揚げ、天ぷらなどの代表的な料理が協会メンバーによって用意され、好評を博した。食の広場にはサンドイッチ、ジュース、かき氷、輸入フルーツなども用意された。
 12日には、同県人会グアルーリョス支部の踊りのグループが盆踊りに参加し、ステージで踊りを披露した。また、福島県人会も聖市から「わらじ音頭」の指導に訪れ、アチバイアで初めてそれが披露された

グアルーリョス支部は谷川キミエ理事(右から3人目)を中心に地域のイベントに参加し、盆踊りの伝統を守っている

 小野エミル市長は土曜日の欠席を詫びながら、日曜日に出席。小野市長はリオ・グランデ・ド・スル州に出張で、開会式前にアチバイアに戻る予定だったが、南部地方を襲った暴風雨の影響で飛行機が欠航していた。
 市長は、盆踊り会場が屋外であり、当日の猛暑の影響から、来年の第56回盆踊りは8月に開催することを乾トシオ支部長に勧めた。

休憩場を兼ねた食の広場の様子

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