車内置き去りで2歳児死亡=灼熱の記録的猛暑の中で

最愛のアポロくん(左)を失った母親のカリアネさん(右)(16日付G1サイト)
最愛のアポロくん(左)を失った母親のカリアネさん(右)(16日付G1サイト)

 ブラジルでは連日猛暑日が観測され、熱中症予防などに注意が喚起されている最中に悲劇が発生した。サンパウロ市北部ヴィラ・マリア区で14日、2歳のアポロ・ガブリエル・ロドリゲスくんが送迎バン内に置き去りにされ、亡くなった。16日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 アポロくんは午前7時頃、保育園に行くためにバンに乗せられたが、運転手のフラビオ・ロブソン・ベネス容疑者(45)と彼の妻で助手のルシアナ・コエーリョ容疑者(44)の不注意で忘れ去られ、駐車場に放置されたバンの灼熱の車内に置き去りにされた。彼らは昼食後に子供らを保育園に迎えに行くために、再び車内に戻った際に初めて男児を忘れたことに気づいたと供述している。
 車内で意識を失っていたアポロくんは、発見されてすぐの午後4時20分頃に病院に搬送されたが、既に死亡して数時間が経っていた。警察は男児が熱で死亡したとみている。
 国立気象観測所(Inmet)によると、この日の温度は37・7℃を記録し、測定史上2番目に暑い日となった。
 母親のカリアネ・ロドリゲスさんは「アポロは朝とても元気だった。でもバンが迎えにきた時、なぜか行きたくないと言って大泣きした。彼女(運転手の助手)はいつもアポロを前に座らせていたのに、今日は後部座席に座らせて、私の息子を忘れてしまった。もう二度と私の息子を見ることはできない」と運転手夫婦の無責任な行動を非難した。
 「こんな経験をするなんて夢にも思わなかった。安全だと思って息子を預け、自分は仕事に行ってしまったことを後悔している。母親の勘というか、この日は良くないものを感じて、16時になった時、母にアポロが帰宅したか確認したの」と泣きながら当時を振り返った。
 警察の取り調べに対し、助手のルシアナ容疑者は通常は子供たちの乗り降りを確認する習慣があるが、この日は調子が悪く、頭痛があり、仕事に注意を払うことができなかったと話したという。
 アポロくんの遺体は法医学研究所(IML)に送られ、事件は14歳未満の児童に対する殺人として登録された。両容疑者は逮捕されたが、すぐに仮釈放が認められた。運転手は既に業務資格が剥奪され、その職業倫理を調査するために行政手続きが開始された。

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