FCサントス=新ユニフォームテーマは日本=「鯉」と「移民船」モチーフに

新ユニフォーム(Raul Baretta/Santos FC)

 FCサントスは26日、サンパウロ州サントス市のヴィラ・ベルメイロスタジアム内サントスミュージアムにてサードユニフォーム発表セレモニーを行った。サントスFCは近年、サードユニフォームのデザインを、サントス市と所縁のある国のイメージをモチーフにしたものにしており、今回は日本をモチーフにしたデザインが採用された。ユニフォームは、紺と黒の生地の上に鯉をモチーフにしたデザインがあしらわれ、背面の通常なら選手名が書かれる位置には歴代の移民船の名前が記されている。

 セレモニーには、「ぺぺ」の愛称で親しまれているジョゼ・マシア元FC選手や「エドゥ」ことジョナス・エドゥアルド・アメリコ元FC選手、サン・ヴィセンテサントス市長、井手博之領事、中井貞夫サントス日本人会らが出席した。
 今年は日本からブラジルへの初の移民船「笠戸丸」がサントス港に到着して115周年の節目の年で、ユニフォームデザインはそれを記念して選ばれた。サントス市と神戸市には日伯を繋ぐ「希望の船出の記念碑」が設置されており、長崎市とは姉妹都市提携を結ぶなどの繋がりがある。
 三浦知良氏、菅原智氏、前園正聖氏や水島武蔵氏がFCサントスで活躍していたことも採用理由のひとつだという。
 デザインに鯉が用いられている理由は、滝を登った鯉が龍になる故事「登竜門」からきている。
 背面の選手名が書かれる位置には「KASATO―MARU」や「TEIKOKU―MARU」、「KAMAKURAMARU」など歴代24移民船の名前が入れられている。左肩には「SANTOSJAPAO 115AMOS」と記され、日伯友好を意識したデザインとなっている。

 オフィシャルグッズとして鯉と龍デザイン、「希望の船出の記念碑」デザインのコップもこの日、販売されていた。
 新ユニフォームと新コップは、FCサントスの試合会場、またはオフィシャルサイト(http://santosstore.com.br/)で購入できる。

 サビアのひとり言

 サントスFCには、チームの負けが続くピンチの時、「Meninos da Vila」と呼ばれる若い選手たちが現れ、クラブを優勝に導くという『伝統』がある。「Meninos da Vila」のネイマール、ガンソ世代はチームに約40年ぶりとなるリベルタドーレス杯(南米選手権)優勝をもたらした。今期は優勝争いではなく、リーグ残留が目標となってしまっている同チームだが、この逆境を乗り越えれば、滝を登り切った鯉のように龍へと成長し躍進することだろう。
     ◎
 昨年のFCサントスのサードユニフォームのモチーフ対象国はナイジェリアだった。FCサントスが1969年に内戦中だった同国を訪れ試合を行った際、試合期間中は休戦となった話が採用の理由だという。

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