ブラジル南部サンタカタリーナ州バルネアリオ・カンボリウ市で２１日に自宅アパートで、同居する息子（６９）が１０日ほど前に亡くなったことに気付かずにいた、アルツハイマー病を患う９１歳の女性が救出された。２３日付テラ・サイトなど（１）（２）が報じている。
アパートから悪臭がすることに気づいた近隣住民からの相談を受け、同市の精神保健プログラムの職員が現場に駆けつけた。住居内ではソファーに横たわった男性の遺体が発見され、腐敗が進んでいた。法医学研究所（ＩＭＬ）の解剖によると、男性は発見される７日から１０日前に死亡し、死因は心臓発作であったとのこと。
「すでにウジが発生し、強烈な悪臭が漂っていた」と、開発・社会的包摂担当のクリスチーナ・バリシェロ氏は語った。「我々が住居のドアを開けると、彼女は死者となった息子の横に座って話しかけていた」と振り返る。
すぐに救急車を呼び、高齢女性は病院に搬送された。彼女は非常に衰弱してやせ細り、脱水症状を起こしていたという。
またクリスチーナ氏によれば、この高齢女性の息子は９月に救急医療センター（ＵＰＡ）で、心臓の治療が必要だと指示されたが、従わなかったという。「酸素飽和度が７０％を切り、気管挿管が必要なレベルで入院が必要とされた。しかし『すぐ戻る』と言って病院を出たきり、行方がわからなくなった」と説明した。
クリスチーナ氏は、死亡した男性の子供、すなわち高齢女性の孫に連絡を取ったが、１年ほど父親と口をきいていなかったので、死亡について聞かされても悲しまなかったという。
この高齢女性は老人ホームに引き取られることになり、一緒に救出された飼い猫は、保護団体によって引き取られた。