「風の谷のナウシカ」を実写化=ブラジル人監督が自主制作、完成上映会大盛況

ポスター

 サンパウロ市のサンパウロ文化センターで9月21日、アニメ『風の谷のナウシカ』からインスピレーションを受けて実写化した自主製作映画『WIND PRINCESS』(クリス・テックス監督、作品時間16分)の無料上映会が行われた。上映会場には約100人が訪れ、満席となり、上映後には作品とクリス監督ら製作陣を称賛する大きな歓声があがった。
 アニメの冒頭シーンをほぼ忠実に実写化したような作風で、自主制作映画とは思えないぐらいの出来ではとの評判も。同作品は2016年、クリス監督がクリエイター仲間11人と制作を始め、7年をかけて先ごろ完成させた。スタジオジブリと何ら関係はないが、心酔する宮崎駿監督とスタジオジブリに敬意を示す為に制作したという。

クリス・テックス監督

 クリス監督はブラジルの人気芸人ダニーロ・ジェンチーリ出演のウェブドラマシリーズ『死者オタク(Nerd of the Dead)』制作や、ワーナー社などへの脚本提供を本業としている。
 クリス監督はサンパウロ州オザスコ市出身で、今年で34歳になる。幼い頃から『幽遊白書』など日本のアニメを見て育ち、スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』を見たことがきっかけでジブリ作品に魅了され、ほとんどの作品を見てきたという。一番のお気に入りは『もののけ姫』。
 数あるジブリ作品の中からなぜ『風の谷のナウシカ』の実写化に挑んだのかを尋ねると、「SF作品を作ってみたかったのと、ナウシカの作品テーマである環境問題意識に共感したから」と話した。
 今回の撮影ではサンタカタリーナ州の海岸部で行った砂漠シーンの撮影が大変だったという。「バンは何度も故障するし、雨の日も続いて、なかなか思う通りに撮影できなかった。スタジオ撮影した腐海のシーンよりも苦労した。でも、地元の人たちの助けもあってなんとか無事に終えることができたよ。最後の『カット』を言ったときは感慨深かった」と語った。
 クリス監督は3年前に日本を訪れる機会があり、知人を介してスタジオジブリと連絡を取ろうと試みたが、関係者と話すことはできなかったという。「もし今回の作品を届けられるなら、ぜひ見てもらいたい。僕は作品を作る上で宮崎監督からとてもインスピレーションを受けています。宮崎監督は僕だけでなく、世界の映画、アニメ業界に多大な影響を与えています。僕は宮崎監督に感謝を伝えたいです」と強い想いを語った。

サンパウロ市文化センター会場の様子

 同作品は、10月20日頃、クリス監督のYoutubeチャンネル(1)で無料公開される予定。
 クリス監督は「世界中の多くの人に見てもらいたい。今回は短編となったけど、もし公式にも認めらてもらえるなら長編に挑戦したい」と語った。

(1)https://www.youtube.com/@Chris0Tex

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