カズオ・ハラダ氏に栄冠=シェフ・オブ・ザ・イヤー

カズオ・ハラダ氏(instagram:kazuo.restaurante)
カズオ・ハラダ氏(instagram:kazuo.restaurante)
ハラダ氏が手がける創作料理(instagram:kazuo.restaurante)
ハラダ氏が手がける創作料理(instagram:kazuo.restaurante)

 ベージャ誌「Comer&Beber」の2023年度受賞式が28日に行われ、カズオ・ハラダ氏がシェフ・オブ・ザ・イヤーに輝いた。同日付ベージャ誌(1)(2)が報じた。
 同イベントは美食の祭典として毎年行われ、サンパウロ市内のレストランやバー、経営者など37部門からその年の最高峰が選ばれる。数名の覆面審査員が市内500以上もの店舗を渡り歩き、秘密裏に評価採点する。
 和食とアジア料理を融合させた斬新なメニューを提供する「Kazuo」の創設者、メインシェフであるサンパウロ市出身のカズオ・ハラダ氏(40)は、2014年に米国のホテルチェーンであるハイアットで働くためにドバイを訪れた際に、料理の新しい世界が開かれたという。それまで知らなかった東洋の多彩な風味を発見し、アジアのハーブ、スパイス、その他の食材に魅了されたという。
 翌年帰国した彼は、リオ市のアジアレストラン「Mee」で腕を磨き、パラナ州クリチバ市に渡って「Hai Yo」を指揮し、「Emy by Kazuo」をオープン。彼の豊かな感性とユニークな想像力が唯一無二の作品を生み出している。
 魚のハタをくるりと巻いてレモンと柚子のサワークリームをかけ、カラスミ、パクチー、糸唐辛子、そしてピーナッツでアクセントをきかせた料理を誰が思いつくか。これは、フィリピン伝統料理にインスピレーションを受けて創作された一品であり、非常に調和の取れた風味だと審査員から高い評価を受けた。
 また、マレーシア原産の青エビのレシピからインスパイアされた蒸しエビ料理は、にんにく、カリカリに揚げられた長ネギと生姜油の風味が加わり絶妙な味わいが楽しめる。
 和牛リブに日本酒をかけて蒸しカボチャのピューレを合わせたメニューは、じわじわと続く辛さがクセになるという。
 ハラダ氏の祖父がサンパウロ市リベルダーデ区で和食レストランを経営しており、幼少期「彼の影響を大きく受けた」と話す。プロへの第一歩を踏み出したのは16歳で、イグアテミ・ショッピングセンターで成功を収めた「レストラン永山」の「Day」チームに加わった時だ。
 その後、サンパウロ市のグランドハイアット・ホテル内にある「Kinu」に移り、メキシコ・シティで最も有名な日本食レストランのオーナーであり、彼の最初の師匠でもある浅井康雄氏のもとで働く機会を得た。
 今年のNo.1シェフの栄光に輝いたカズオ・ハラダ氏は、彼の原点である日本料理の枠をはるかに超えた、斬新な料理で人々を魅了し続ける。

◆レストラン情報
「Kazuo」
住所:Rua Prudente Correia, 432 – Jardim Paulistano – São Paulo – SP
電話: (11)976208488
サイト:instagram.com/kazuo.restaurante

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