■街角ちょっと見■タンポポの如く飛んで異郷に根付く

《花は咲く――36年ぶりの里帰り=タンポポの如く飛んで異郷に根付く》を本紙5月26日付に寄稿したサンパウロ市近郊コチア在住の森田幸子さん(81歳、兵庫県出身)から続報がきた。
同寄稿では《タンポポの花は、昭和、平成、令和と生きてきた私を、これまで励まし続けてくれた。花びらがあの人の方に、あの人の頭に、あの人の足にも希望を送り、日本にもブラジルにも、子孫を残してくれることだろう。私は日本の大和撫子でありたいと願う。花は咲き、散って行くのである》と締めくくられていた。
それに応えるように、森田家4男が家族のWhatsappグループに、野に咲くタンポポの花の写真を先ごろ投稿した。写真の題は「tanpopo.da.baatian」。タンポポの花に母である森田さんを重ね、息子は「綿帽子は風に吹かれて、日本にもパラナにも子孫を残し、大家族にした」「そんな母に感謝する気持ちで、一面に咲くタンポポの写真を送った」とのこと。
森田さんは「ギスギスした今の世の中、野に咲く花に託した思いを写真に込めて贈ってくれた。子供の心の感謝を受けとめた。嬉しい一枚の写真でした」とのメッセージと共に写真を本紙に送ってきた。(深)