「第二の故郷から強制立ち退き」=VGP文協の土地が競売に!=反対署名展開等協力求める

この会館でいつも練習している鼓魂会が昨年の創立90周年で披露した力強い演奏

 昨年12月に創立90周年を盛大に祝ったヴァルゼン・グランデ・パウリスタ文化体育協会(VGP文協)の使っている土地が競売にかけられており、ネット署名運動を展開するなど競売反対への協力を求めている。同協会は1932年に創立されて以来、コチア産業組合中央会(CAC)と深い関係があり、同文協が使う土地もCAC名義のものだった。同協会は聖南西地区で最も早く発足した団体で、同日本語学校は来年創立90周年を迎えるなど子弟教育にも熱心に取り組んできた。迫って来たVGP文協創立100周年を視野に入れながら、更なる発展を誓いあったばかりのところだった。

 CACが隣のコチア市に1927年に創立した関係で、同地に日本人会が32年にできた頃は大半がジャガイモ生産者だったので多くが加入していた。だが他の組合も次々に設立される中で、同文協はCACから独立した別組織になっていった。
 1994年9月にCACが解散した際、この土地も差押え資産に認定され、以来その利用権を辛うじて維持する状態が続いていた。この度、その土地が来月10月9日に競売にかけられることになった。その後、同文協が弁護士を立てて異議申し立てを行い、30日間の延期を得た状態だ。
 同文協は、署名サイトの声明文の中で「私たちのアイデンティティーの全てを築いた場所から強制立ち退きさせられる危機に瀕しています」と危機感を露わにした。
 さらに「私たちは90年に渡りこの土地に植樹し、会館を建築保守してきました。90年間、私たちは日本語学校を運営し、子供たちに日本の文化や言葉を教えてきました。日本の価値観や文化に基づき、若者や社会人を育成しています。
 90年間、この協会では数え切れないほどの若者や大人がスポーツをしてきました。90年もの間、私たちはここでリハーサルを行い、芸術に身を捧げる歌手を育ててきました。ここに通った人はそれぞれ人生の次の舞台に歩んでいます。多くの人がここで生まれ育ちました。
 多くの人にとって第二の故郷なのです。だからこそ私たちは、伝統を守り、品位ある誠実な方法で仕事を遂行し、より良い人間づくりと生涯続く絆づくりを常に追求しながら、今いる場所のために戦っているのです」と愛情をこめて綴り、競売を阻止するための署名協力などを求めている。
 署名サイトの呼びかけは9月18日に投稿され、21日昼時点で約3900人が署名済。同午後4時頃に署名は打ち切られた(https://secure.avaaz.org/community_petitions/po/dr_domingos_parra_neto_associacao_cultural_e_esportiva_de_vargem_grande_paulista_precisa_da_sua_ajuda/)。

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