ブラジル・ウクライナ首脳会談が実現=意見一致?! まさかの呼び違えも

 ルーラ大統領(労働者党・PT)は20日、国連総会開催中の米国ニューヨークで、ウクライナのゼレンスキー大統領と個別会談を行った。3月には電話会談を行っているが、首脳同士の直接会談はこれが初めて。5月には日本でのG7サミットで会談が予定されていたが、ゼレンスキー氏が会場に現れず、実現しなかった。20日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じている。
 ルーラ大統領は自身のX(旧Twitter)にゼレンスキー大統領と固い握手を交わす写真を公開し、「我々は平和構築に向けた道筋について話し合い、両国間のオープンな対話を維持する重要性を認識し合った」と述べ、リラックスした雰囲気の中で情報交換が行われたことを明らかにした。
 一方、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は会談後の声明で、ルーラ大統領を、よりによってロシアのウラジーミル・プーチン大統領と呼び間違える場面があった。同氏はこれをすぐに訂正し、ルーラ氏が国際問題担当特別顧問のセルソ・アモリン氏を和平交渉に参加させたことに触れ、和平に対する姿勢を称賛した。
 首脳会談の前日、ゼレンスキー大統領は国連総会開会式でのルーラ大統領のスピーチを聴衆席から追っていた。ルーラ大統領は、ウクライナでの戦争は国連を構成する国々が平和を強制する能力がないことを「露呈した」と述べ、ゼレンスキー氏の反感を強めた。同氏はルーラ氏の姿勢をかねてから批判しており、ロシア政府に対する伯国政府の厳しい対応を求めている。
 ルーラ大統領は以前から、ウクライナでの戦争責任はロシアとウクライナの両方にあると述べたり、ハーグ条約の署名国でありながら、プーチン氏が(ブラジル開催の国際会議のために来伯しても)逮捕されないなどと発言したりして問題視されていた。ルーラ大統領はその後、プーチン氏逮捕は政府の意向ではなく、司法の判断に依存すべきだと意見を修正している。

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