鹿児島、JHで県産品PR=焼酎、大島紬など魅力伝える

焼酎PRを行う様子(左手前から濱田、泊、本田氏)

 ブラジル鹿児島県人会(文岡セルジオ正樹会長)は8月5日、鹿児島県庁協力のもと、同県産品を紹介するイベント「KAGOSHIMA DAY」をサンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」で開催した。イベントには翌日の県人会周年記念式典出席のため来ブラジルしていた塩田康一県知事らも参加。150人以上が集まる盛況ぶりを見せた。
 イベントは、昨年末に鹿児島を訪問した「レストラン藍染」の白石テルマシェフとサンパウロ市で日本茶専門店「Mori Chazeria」を経営するパトリシア・モリベ氏の対談で始まった。
 白石シェフは、枕崎市の鰹節工場や志布志市の茶畑、同市精肉会社「サンキョウミート株式会社」の和牛肉加工処理工場「有明ビーフプラント」などを見学した際の感想を述べ、「鹿児島の食材は質の高いものばかりで、本当に魅力的。鹿児島産和牛は2019年からようやくブラジルにも輸入されるようになった。枕崎産の鰹節は当地の輸入会社「ヤマト商事」が輸入販売してくれていますが、それ以外の食材もぜひブラジルで使えるようになって欲しいです」と語った。
 続いて、鹿児島産焼酎についての対談が行われた。日本側からは「濱田酒造」(本社、鹿児島県いちき串木野市所在)の濱田光太郎取締役兼経営企画部長と「奄美大島開運酒造」(本社、鹿児島県大島郡宇検村所在)の泊浩伸常務取締役が登壇。ブラジル側からは日本産品輸入卸会社「ヤマト商事」の本田総一郎社長が参加した。
 「濱田酒造」は、鹿児島を代表する焼酎メーカーのひとつで全国の焼酎メーカーの中でも上位に入る。本格芋焼酎「だいやめ」や「海童」、麦焼酎やリキュールなどを生産し、ブラジルではヤマト商事が同社麦焼酎「隠し蔵」を輸入卸販売している。
 「奄美大島開運酒造」は、奄美大島を代表する焼酎会社。同社商品の「黒糖焼酎れんと」は、熟成期間中にクラシック音楽を流す「音響熟成」で有名。
 対談では、濱田酒造の芋焼酎「だいやめ」と奄美大島開運酒造の「黒糖焼酎れんと」を試飲しながら2社のPRビデオを鑑賞。ヤマト社の本田氏は「ブラジルの焼酎人気は、年々高まっており、2社商品のニーズは十分にある」と、ブラジルでの焼酎市場の解説を行うとともに、「今後、よりブラジルのお客様のニーズに応えられるよう、より密に協力して輸入できるように尽力したい」と意気込みを語った。
 イベントプログラムの最後は、世界三大織物として有名な大島名物「大島紬」の紹介が行われた。大島紬紹介のため、塩田知事らが大島紬を着て壇上にあがり、その魅力を来場者に伝えた。
 イベントには、同県市長会会長や町村会会長を含む6つの市町村長(阿久根市、霧島市、南九州市、南さつま市、徳之島町、宇検村(代理))らも参加した。
 その後、奄美島唄の披露が行われ、会場一体となって歌い踊り、大盛況の内に幕を閉じた。
 イベントに参加した酒ソムリエのヤスミン・ヨナシロ氏は、「鹿児島は良いものが揃っている魅力ある県だということがとても良く伝わりました。試飲した2社の焼酎は本当に美味しく、ブラジルに輸入されることを期待しています」と述べた。

最新記事