琉球喜劇=爆笑コメディー「五月九月」=沖縄県人会本部で10日上演

「五月九月」の一場面(同公式フェイスブックより)

 ブラジル沖縄県人移民115周年と日・ペルー外交関係樹立150周年を記念して、現代沖縄を代表する演劇グループによる喜劇「五月九月(ぐんぐぁちくんぐぁち)」の巡回公演が南米3カ国で開催される。ブラジルでは10日(日)にサンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会館(R. Dr. Tomás de Lima, 72)で、午後1時~午後3時、午後5時~午後7時の2回公演される。
 極上の琉球芸能を楽しめる爆笑コメディー「五月九月」(脚本演出・富田めぐみ氏)は、令和元(2019)年度文化庁芸術祭(大衆芸能部門)大賞を受賞した作品。2013年の初演以降、東京や沖縄等で公演され続けているヒット作品だ。
 物語の舞台は琉球王朝時代の首里城。琉球では日本と中国からの使節団を5月と9月に別々に迎え入れ、使節団ごとに出迎えの様相をその国に合わせたものに変えて行ってきた。
 沖縄方言「五月(ぐんぐぁち)」「九月(くんぐぁち)」――まさかの聞き間違えによって、大切な使節団出迎えの宴を同時予約してしまったことが発覚。2つのおもてなしを同時進行せざるを得なくなり、上へ下への大騒ぎ。知恵とチームワーク、磨き抜いた歌と踊りを武器にして、王朝の未来を左右するピンチを乗り切るべく四苦八苦する姿をコミカルに描く。実力派の演者たちが届ける洗練された琉球芸能の技と美と、とびきりの笑いが詰まった1時間だ。
 琉球王国は、当時の中国王朝の明やその後の清の冊封下に組み込まれていたが、1609年に日本の薩摩藩の侵攻を受け、以後は薩摩藩と清への両属体制(明・清と、日本の朝廷の元号の両方を施行する国家体制)を取りながらも、独立した王国として存在し、両国の文化の影響を受けつつ、交易で流入する南方文化の影響も受けた独自の沖縄文化を築き上げた。

「日本語のセリフにポ語字幕付きで誰にでも楽しめる。ぜひ見に来て」と薦める照屋マルコスさん、知花ルイさん、高良律正さん、島袋栄喜さん

 そんな国際感覚あふれる当時の琉球王朝の外交の様子を、喜劇として演劇化したのが今作だ。
 脚本監修は、前国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦氏、音楽監督に花城英樹氏、キャストには重要無形文化財「組踊・立方」保持者の宇座仁一氏など、錚々たる演者7人と豪華スタッフ6人。
 県人会の高良律正会長は「僕らは本格的な沖縄演劇を見たことないから、今回は本当に楽しみ。劇中の音楽や舞踊、照明など全てプロが来て日本と全く同じように見せてくれる。こんなことはめったにない。ぜひ皆さん見に来てください」と薦める。さらに「舞台は日本語で行われるが、舞台の横にポ語の字幕がつくので誰でも楽しく観覧できる」と語った。
 入場料は30レ。事前申し込み制だが、空きがあれば当日購入も可能。沖縄県人会でチケット販売中(連絡先 11・3106・8823)。当日は売店を出店し、お弁当、饅頭、餅等を販売。
 今公演はブラジルのみならず、沖縄移民と関係が深い地域のボリビア・サンタクルス(イーグル劇場)、ペルー・リマ(日ペルー文化会館と沖縄県人会館)でも上演予定。

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