ビラ・カロン=南米最大沖縄祭り盛大開催=照屋副知事、宮沢和史らも参加

開会式の様子

 ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部(上原マリオ正会長)は5~6日、サンパウロ市の同支部会館前ハロルド・ダウトロ広場にて「第19回おきなわ祭り」を開催した。同祭は南米最大規模の沖縄系イベントとして知られ、多くの来場者が訪れた。今回は沖縄移民115周年記念行事にもなっており、母県から照屋義実副知事や赤嶺昇県議会議長、アーティストの宮沢和史さんらも参加した。

 5日午後5時半に行われた開会式では、挨拶に立った上原会長が「沖縄祭りを通じて、ブラジルに沖縄の文化を伝えられることを誇りに思っています。お祭りはみんなのもの。ぜひ楽しんでください」と語った。
 開会式には照屋副知事、赤嶺県議会議長、在サンパウロ総領事館桑名良輔総領事、ブラジル沖縄県人会関係者、ペルーやボリビア沖縄県人会の代表者らが出席した。
 照屋副知事は玉城デニー知事からの祝辞を代読。玉城知事はブラジルの沖縄県系人が果たしてきた母県との友好関係構築への貢献に謝意を示し、「今後も世代や地域を超えて、ウチナーネットワークが継承されていくよう、ご活躍とご協力をお願いいたします」と語った。
 また、照屋副知事は2022年に沖縄県で開催された「第7回世界のウチナーンチュ大会」にブラジルから多くの参加者があったことに触れ、「次回の第8回世界のウチナーンチュ大会でも会えることを楽しみにしています」と話した。
 幼少期をブラジルで過ごした経験を持つ赤嶺県議会議長は「皆さんと会うのをとても待ち遠しくしていました」とポルトガル語で挨拶。その後日本語で、沖縄県人のブラジルでの歩みに想いを馳せ、ブラジル県系人らの同祭への熱意に対し「沖縄でも見られないほどの熱意。ブラジルの県系人は私たち沖縄県民の誇り」と語った。

 会場では二日間にわたって、沖縄芸能の披露が行われた。琉球太鼓や、琉球古典音楽、琉球舞踊、琉球筝曲、三線などの伝統音楽のほか、ロックバンド「THE BOOM」のボーカルで『島唄』の作詞・作曲を担当した宮沢和史さんや、沖縄系歌手のアルベルト城間、クラウジア大城、メリー&デイビット・ラルストンさんらによるショーも行われた。
 メリー&デイビット・ラルストンのメリーこと具志恵さんは今回で3回目のブラジル訪問。同グループは普段は米国で活動を行っており、沖縄祭りには初出演だ。具志さんは「沖縄のイチャリバチョーデー(会ったらみんな兄弟)精神に、ブラジル特有の寛容さが混じった、特別な温かさを感じました」と語り、デイビットさんは「ブラジルの沖縄祭りは大きいと聞いていたけど、まさかこんなに大きいとは。僕たちの音楽をみんな楽しんでくれてとても嬉しかった。またぜひブラジルで演奏したい」と語った。
 会場には多くの屋台が並び、沖縄料理のヒージャー汁(ヤギ汁)やお菓子のナントゥ、ゴーヤーを使用したホットドッグ、パステルなどの販売が行われ、長蛇の列が出来た。
 カナダからの観光旅行中に同祭を訪れたウエスレイ・リーさん(32)は「カナダにも日系人はたくさんいるけど、こんな規模のお祭りはしていない。とても素敵なフェスティバル」と絶賛していた。
 駐在員としてサンパウロ市に住む蟻塚稲太郎さん(38、埼玉県)は「日系社会が強く根付いているのは知っていたけど、沖縄文化がこんなにも愛され、大きなお祭りを催すほどに浸透しているとは思わなかった。日本の人にも知ってもらいたい」と述べた。

夜まで来客者で会場は溢れていた

最新記事