初のトランスジェンダー卓球選手=クマハラ氏が男子競技会参加へ

クマハラ選手の東京五輪時の選手登録
クマハラ選手の東京五輪時の選手登録

 ブラジル人卓球選手のルカ・クマハラ氏(28)は8日、国際卓球連盟(ITTF)から男子競技に参加する許可を受けた。ブラジル卓球連盟(CBTM)は昨年から同氏の性別カテゴリー変更を申請しており、今回の正式承認で卓球界初のトランスジェンダー選手が誕生した。8日付テラサイトなど(1)(2)が報じている。男性選手がトランス女性になる例は比較的見られるが、トランス男性は珍しい。
 サンパウロ州出身の日系人卓球選手であるクマハラ氏はロンドン、リオ、東京の五輪3大会で女子競技に出場した経歴を持つ。今年5月に、ホルモン治療による性転換プロセスを開始すると同時に女性カテゴリーに別れを告げ、「カロリーネ・アイコ・クマハラ」から「ルカ・クマハラ」に改名していた。
 22年にアスンシオンで開催された南米競技大会の卓球競技でクマハラ氏は女子シングルスで金メダル、女子ダブルスと混合ダブルスで銅メダルを獲得した。南米卓球界では有名選手だ。
 ブラジル卓球連盟は、選手個人の意思決定を尊重し、スポーツルールに準拠し卓球のプロとしての活動を維持できるよう最大限のサポートを提供するとし、クマハラ氏の決断には協力的だった。
 ただ、卓球界における選手の性転換は今まで前例がなく、国際卓球連盟はこのテーマを分析する専門グループを設立する必要があった。国際卓球連盟のラウル・カリン事務局長は、「当連盟では、この転換が彼の人生で重要な一歩であると理解しており、新たな門出を支持している。今後も個々のアイデンティティを尊重し、包括的な環境作りに尽力する」とクマハラ氏に対する支援のメッセージを送った。

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