ファバロ農相=ブラジル産鶏肉輸入の規制緩和要請=東京のセミナーで安全性強調=野村農相会談するも受け入れず

セミナーで講演するファバロ農務大臣(Notícia Aglicolasより)

 カルロス・ファバロ農相は27日、東京都内で開催された駐日ブラジル大使館主催のセミナーにブラジル政財界の要人を引き連れて出席した。同大臣の当初の訪日目的は、ブラジルにおける持続可能な農業プロジェクト拡大のための投資呼び込みだったが、6月にエスピリトサント州、7月にサンタカタリーナ州で発生した鳥インフルエンザにより日本がブラジル産鶏肉の輸入を規制したことを受け、セミナーではブラジル産鶏肉の安全性を強調。翌日には野村哲郎農林水産大臣と会談し、日本政府に規制緩和要請を行ったが、今回の訪日中に要請が受け入れられることはなかった。

 セミナーには、ブラジルからファバロ農相を筆頭に州知事や関連省庁、ABPA(ブラジル動物性たんぱく質協会)、ABIEC(ブラジル牛肉産業協会)、パッカー、ブラジル銀行代表者ら、日伯議員連盟会長の西森ルイス議員など、総勢100人近いブラジル政財界の重鎮が参加。日本側は大手商社、メーカーを中心とした要人120人が招待された。
 ブラジルでは7月15日に、サンタカタリーナ州マラカジャ市で、自給自足用に育てられていた家庭の庭先の家禽から鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された。日本政府は7月17日に同州からの一時的な輸入停止措置を発表した。同州の「商用家禽農場」では発生が確認されておらず、世界動物保健機関(WOAH)によるブラジルの鳥インフルエンザステータスは「フリー国」から変わらないが、6月のエスピリトサント州と同様の措置が講じられた。
 今年上半期の日本向け鶏肉輸出で、サンタカタリーナ州は32%、約6万9千トンとトップを占める。同州から日本が輸入を停止することは日伯双方にとって打撃が大きい。現状では同州の鶏肉1万6千トンが日本に入らなくなる。さらに多くの症例が発生した場合、他州でも同様の措置が講じられる。
 ファバロ大臣は「鳥インフルエンザは商用家禽農場には入っておらず、商業施設においてはウイルスの防止策、安全策を徹底している」と強調し、早急に日本の農水省と厚生労働省関係者にブラジルを現地視察して、安全性を確認した上で輸入を再開するように要請した。

セミナーの会場の様子

 ABPAのリカルド・サンティン会長は、東西に4300キロ、南北に5961キロの国土を持つブラジルでは、鳥インフルエンザが簡単に流行しないことを強調。日本では福岡県で鳥インフルエンザが発生した時、1億5千万羽を処分したが、500キロ離れていない四国では処分されなかった事例を挙げ、地理的に考えてサンタカタリーナ州の家庭の裏庭の1羽に発生したことがブラジル全土に影響することは考えにくいと主張した。
 日本政府に輸入停止の基準を改めると同時に、ブラジルからの輸入を日本のみが停止している事を訴えた。(ニュース提供:ブラジルと南米の今をお届けする「南米畜産トピックス」/連絡先11・99975・3969)

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