初アニソンダンスバトル大会に歓声=リアルアキバボーイズも登場

アニソンダンスバトルの様子

 国際交流基金とサンパウロ文化センターは12日、ダンス大会「第1回ブラジルアニソンダンスバトル」をサンパウロ市ヴェルゲイロ区の同センターダンス会場で開催した。大会は男性デュオの部、女性ソロの部に分かれて行われ、各部26組、9人が出場。男性デュオの部ではLulaさんとBabyさんチームが優勝し、女性ソロの部ではKekaさんが優勝した。会場には満員の300人が集まり、出場者の熱演に大きな歓声を上げた。日本からアニソンダンスのパイオニア「リアルアキバボーイズ(RAB)」も参加し、大会を盛り上げた。

 同イベントは日本で近年生まれたダンスジャンル「アニソンダンス」のブラジル普及を目的に実施された。アニソンダンスは、ダンス曲にアニメソングを使用し、振り付けにもアニメのポーズを取り入れる。これまでアニソンダンスバトル大会はアジア圏での開催があったが、北南米地域では今回が初開催となった。大会では事前にダンスバトル使用候補曲が公開され、本番では候補曲の中からランダムに選曲が行われる。出場者は選曲に即興でダンスを合わせる。交互にダンスを披露し、審査員の支持をより多く得た方が勝者となる。
 予選として、プロのブレイクダンサー2人の前でダンス審査が行われ、ダンスバトル本戦出場者が選ばれた。予選と本戦の幕間にはRABによるダンス披露や質疑応答、「第1回アニメソングダンスコンテスト」ソロ部優勝者のHinokami Kagura、グループ部門優勝チーム「Chemical Funk」によるダンス披露が行われた。
 ダンスバトル本戦では、ブラジルでも馴染み深い人気アニメ『ナルト』や『ドラゴンボール』、『聖闘士星矢』をはじめ、最近流行りの『東京リベンジャーズ』、『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』の主題歌などが選曲され、ダンサーらはステージ上で、ブレイクダンスの激しい動きや、ストップモーションの様な細かな動き、相手チームへの挑発ポーズなどを器用に織り交ぜ、観客の興奮を煽った。

 男性デュオの部決勝戦はLulaさんチームとAndyさんチームの対決となり、高いダンス技術とアドリブ力を見せた、Lulaさんチームが勝利した。Lulaことルイス・パウロさん(31歳)とBabyことデニルソン・アルヴェスさん(26歳)は共にブレイクダンスの先生。事前に公開された候補曲を聞き込んで練習に励んだと語り、「普段からフリースタイルで踊っているからアニソンでも応用が効いたと思う。これから生徒たちとのレッスンでもアニソンダンスを始めるよ」と笑顔で話した。
 女性ソロの部決勝戦はKekaさんとLoirinhaさんとの対決となり、得意のフリースタイルダンスを取り入れたダンスを披露したKekaさんが優勝を果たした。普段はフリースタイルダンサーとして活動しているKekaさんはアニメを観る習慣が無く、アニソンと自身のダンスを合わせることに苦労したが、「新しい日本文化のアニソンダンスバトルに参加できたことをとても嬉しく思う。日伯の絆を感じたわ」と語った。
 優勝したLulaさんチームに1千レアル、Kekaさんに500レの賞金と優勝トロフィーが贈られ、RABとの親善試合も行われた。

 RABのメンバー・けいたんさんは「ダンス技術の高さだけでなく、楽しそうにアニソンダンスを踊る様子や、ヒップホップ精神(ピース、ユニティー、ラブ、ハビングファン)とアニソンダンスを調和させている様子にとても感動しました。日伯の繋がりを実感したし、アニソンを通して新しい繋がりができたと思う。日本の人にも直接見てもらいたいし、僕たちもぜひまた来たいです」と語った。

熱く声援を送っていた来客者のアナさん

 来場したアナ・ラウラさん(18歳)はアニソンのメロディーに合わせて体を揺らし、大きな歓声を送っていた。「アニソンダンスはこれまで観たことがなかったジャンルだったけど、とても楽しい。ぜひまた開催してほしい。百点満点を超えた、101点の良い大会だったわ」と語った。

最新記事