原田清氏=『ブラジルの日系人』第5版出版=総領事「28年に第6版を」

本の内容を説明する原田氏

 法学者の原田清氏がコーディネーターを務め、複数の協力者や研究者が参加した『O Nikkei no Brasil』(ブラジルの日系人)の第5版出版記念会が6月22日、ブラジル日本文化福祉協会貴賓室で開催され、約50人が出席した。
 日系人の歴史や活躍の現状を知るための必読のポ語書籍だ。笠戸丸移民に乗船する瞬間から、適応と統合のいくつかの段階を経て、移民の子孫がブラジルで重要な位置を占めるようになった現代に至るまで、日本移民とその子孫の歴史や現象について17章にわたって記述している。
 この機会に、同じく原田清氏が企画し、日本文化をテーマとしたコンテストの第3回と第4回の受賞作品をまとめた「日本文化モノグラフ集」の第2巻も刊行された。
 刊行式には桑名良輔在サンパウロ総領事、石川レナト文協会長、宮坂邦人財団の西尾ロベルト理事長、日伯比較法研究所の渡辺和夫元会長、野村アウレリオ市議、論文コンクール「原田清法学者賞」の和田ロドルフォ総合コーディネーターが出席。
 石川会長は、原田氏に関して「法律に関する数多くの本の著者、ーディネーターでもある。原田氏は、非常に多忙な職業生活にもかかわらず、日系ブラジル人コミュニティとの関係や協力関係を維持することを重要視しており、08年に『O Nikkei no Brasil』を創刊して今回の第5版まで改定を重ね、常に内容を最新に保ってきた。ここには日系ブラジル人の軌跡の主要な側面が12人の寄稿者と12人の研究者の論文によってまとめられている。このような仕事をコーディネートすることは壮大な使命だ」と位置付けた。
 桑名総領事は、「移民115周年という、本当に特別な年にこの本が発売されることは非常に時宜を得ている。これらの論文は、私たちや新しい世代が先人の軌跡を知るための貴重な知識の源にもなる」と述べ、最後に「2028年の日本人移住120周年を記念して、新しい章を追加した第6版の出版に向けて努力を続けていただきたい」とのスピーチで締めくくった。

論文集と『O Nikkei no Brasil』を本を持つ原田氏と来賓の皆さん

 日伯比較法学会の渡部和夫会長は、移民百周年の前に日本でデカセギが交通事故を起こしてブラジルに逃げ帰ったことで日本では署名運動が広がり、外交問題に発展した。それがきっかけで同学会が代理処罰制度を提案して始まった経緯を説明、「そのような我々の活動の詳細がここに記されている」と語った。
 最後に原田氏は、「日本移民に関して日伯両側の背景を分析した内容になった」と述べた。単に日本移民の歴史を叙述しただけでなく、「その原因を分析し、批判的精神をもって最初の移民の到着を分析した。笠戸丸移民781人の先駆者たちは、言いようのない困難に直面し、耐え難きを耐え、日本人のガンバリ精神であらゆる障害を乗り越え、最初の統合の第一陣としてブラジル文化に同化していった。彼らの子供や孫たちが連邦・州・市や、司法・行政・立法という三つの権力の領域など国中のあらゆる舞台で極めて重要な地位を占めるようになった。その過程を記している」と説明した。

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