県連日本祭り=歌で通じ合いブラジル人少女も涙=本間愛花さんブラジル初ステージ

観客に手を振る本間愛花さん

 【既報関連】7~9日にサンパウロ市で開催されたブラジル日本都道府県人会連合会(県連)の「第23回日本祭り」のメインステージでは、初来伯のシンガー・ソングライターの本間愛花さんが舞台に立ち、日本語で5曲を披露。言語の壁を超えた表現力で来場したブラジル人らを感動させ、会場から大きな拍手と歓声が送られた。他にも太鼓や民謡などの郷土芸能披露、ポップソングなどの芸能ショーが行われた。
 本間さんが披露した曲目は、アニメ「セーラームーン」オープニング主題歌「ムーンライト伝説」、松原みきの「真夜中のドア」、自作曲「あなたに出逢えて幸せでした…これからも」、「ハナウド」、「Blue Blue」。「あなたに出逢えて―」披露時には、「この曲は大事な人を亡くした時に作りました。今回は日本移民の方々への想いを込めて歌わせてもらいます」と語り、会場と一体となって日本移民の歴史に思いを馳せた。

涙ながらに「ありがとう」
歌で心通じ合わせたブラジル人少女

本間愛花さんと感動のあまり涙をこぼすクララさん

 本間さんの歌唱が始まると、観客席の奥から一人の少女がステージ前に駆け寄った。公演中も熱心に歓声を送り、舞台上の本間さんからハートを象ったハンドサインが返えされると嬉し涙をこぼしていた。
 公演後、少女に感想を聞いた。少女の名前はクララ・ロベスさん(11歳)といい、今回のステージで初めて本間さんの歌を聴き、「日本語は難しくて歌詞の内容はあまり分からなかったけど、すぐに大好きになっちゃったの」という。
 クララさんはバックステージ出口付近にいた本間さんを見つけると駆け寄り、翻訳アプリを使用しながらステージの感想を語り、「ありがとう」と涙ながらに感謝の気持ちを伝えていた。
 クララさんの他にも、観客から握手やハグ、サイン、写真撮影の要望が相次いだ。
 観客との交流を行った本間さんは、「みんなに受け入れられて、温かく幸せな気持ちです。言葉は違うのに心が通じ合っていることを感じました。日本語でもみんな一生懸命に聞いてくれて、ここに住みたいと思えるくらいブラジルのことが好きになりました。今度はポルトガル語を勉強してもっと交流できるようになりたいです」と喜びに満ちた表情でブラジル初舞台の感想を話した。

サビアのひとり言

 本間さんと観客の交流のひと時には、ブラジル日本文化福祉協会第3副会長の和田ロドルフォさん(41歳、4世)と妻のパトリシアさん(32歳、3世)の姿も。和田さんは「彼女の曲はシティーポップのタッチがあって郷愁的でとても好きだよ」、パトリシアさんは「声も本当にきれいで、私の幼い頃を思い出すセーラームーンの主題歌を歌ってくれて嬉しかったです」と夫婦そろって絶賛していた。

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