【ブラジル日本移民115周年記念特集】日伯関係強化のチャンスに=在サンパウロ日本国総領事 桑名良輔

桑名在サンパウロ総領事

 日本人移民115周年を迎える本年の移民の日にあたり、日系社会の皆様、そしてブラジル日報の読者の皆様にご挨拶申し上げます。
 1908年に笠戸丸で最初の日本人移民がブラジルに到着してから115年が経ちました。以来、日本人移民の方々は、異なる言語や気候風土、文化を有するこの地において、多くの苦難を乗り越えてこられ、農業、商業、司法、医療、学術分野等、様々な分野でのブラジル社会に大きな貢献をされ、今日ではブラジル社会において大きな信頼を勝ち得、確固たる地位を築き上げました。
 努力、忍耐、尊敬、誠実といった価値観は、日系社会のものとしてブラジル社会において広く認められているだけでなく、日本食や武道、盆踊り、太鼓などの日本文化も広く浸透し、豊かなブラジルの多文化社会の不可欠の要素となっております。そして、これら日系社会が築いた礎の上に、今日、日伯間の緊密な友好関係が花開いています。これまでの日系社会の皆様のご尽力に深甚なる感謝と敬意を表します。
 昨今は、新型コロナウイルスにより日伯間の人的交流も制約を受け、困難な時期を過ごしましたが、現在ではパンデミックを乗り越え、再び人的交流が盛んになってきています。昨年末から年初にかけては、小渕優子衆議院議員がルーラ大統領の就任式に参加するために特派大使として来伯頂き、サンパウロやクリチバを訪れて各地の日系社会の皆様と交流して頂きました。
 そして、その一週間後には林芳正外務大臣がブラジルを訪問され、サンパウロにおいても日系社会の皆様に大変暖かい歓迎頂きました。更に、本年5月にはルーラ大統領がG7広島サミットで訪日された機会に、岸田総理大臣との間で日伯首脳会談が行われ、ブラジル人に対する短期査証免除を含めた様々な分野で日伯両国の協力について首脳の間で議論が行われました。
 このように、日伯間では人的交流を含めた二国間の協力が再び活発化しています。私共、在サンパウロ日本国総領事館としても、この日伯関係強化のチャンスを最大限活用して、日系コミュニティとの絆を更に深め、日本とブラジルの友好関係の強化のために皆様と共に力を尽くして参りたいと考えております。
 終わりに、ブラジル日本人移民の115周年を皆様と共にお祝いすると共に、皆様のご健勝とご多幸、更には日系社会、そして日伯二国間の友好関係の更なる発展を祈念して、ブラジル移住115周年にあたってのご挨拶とさせて頂きます。

最新記事