ベネズエラのマドゥーロ大統領が来伯=南米首脳会談出席のため=ルーラ「歴史的瞬間だ」

29日のルーラ大統領とマドゥーロ大統領(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
29日のルーラ大統領とマドゥーロ大統領(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ベネズエラのマドゥーロ大統領が28日、ブラジリアを訪れ、ルーラ大統領は「歴史的瞬間だ」と歓迎した。30日に行われる南米首脳会議に参加するためだが、29日には「関係修復」を目的としたルーラ大統領との2カ国会談も行われた。ブラジルではテメルおよびボルソナロ政権の間、マドゥーロ政権を認めず、多くのブラジル・メディアも〝独裁者〟扱いしてきた。29日付フォーリャ紙(1)(2)(3)(4)(5)などが報じている。
 マドゥーロ大統領は28日夜、シリア・フローレス夫人と共にブラジリアの空港に降り立った。同大統領夫妻は29日にプラナウト宮(大統領府)を訪れ、ルーラ大統領とジャンジャ夫人の出迎えを受け、2カ国会談や閣僚も含めた会談に臨んだ後、外務省での昼食会にも出席した。
 これは、ここ数年間の両国関係を変えるものだった。そのことは、29日の会合その他のスケジュールが当日の朝、発表されたことに象徴されている。他国の首脳らの訪問日程や数日前からアナウンスされるのが常だ。だが、異例の当日発表には反対派を懸念したことがうかがえる。
 マドゥーロ氏は2013年、ルーラ氏と懇意だったチャベス前大統領の死後、副大統領から昇格。マドゥーロ政権は発足後に失政が続き、2016年の国民議会選挙では与党側が議席の37%にとどまる惨敗を喫した。だが、マドゥーロ氏は制憲議会を与党中心に設立したことで国民議会を骨抜きし、独裁体制を固めた。
 この制憲議会をテメル政権が認めなかったためにブラジルとの関係が悪化。2018年の大統領選でマドゥーロ氏は再選した際も、ブラジルは認めず、2019年1月、国民議会議長のフアン・グアイド氏がマドゥーロ氏と並行する形で暫定大統領就任を宣言すると、ボルソナロ(当時)大統領は同氏を大統領として承認。ブラジル国内のベネズエラ領事館にはグアイド政府による大使が勤めていた。テメル〜ボルソナロ政権期には、政敵弾圧や高インフレなどによって同国の生活がより不安定になり、ブラジルに亡命してくる人も相次いだ。
 だが、22年10月の大統領選でルーラ氏が当選。グアイド氏も同年12月に議長を追われたため、グアイド政権も消滅。マドゥーロ政権との国交が戻っていた。
 3月には第1、2期ルーラ政権の外相で外交特別顧問のセルソ・アモリン氏が首都カラカスにマドゥーロ大統領を訪ね、ベネズエラがブラジルに対して負っている10億ドルに及ぶ負債などについて話し合った。アモリン氏はこの際、野党側とも話し合いを行っている。
 29日に行われた首脳会談では、ブラジルとマドゥーロ政権の国交回復やベネズエラで2024年に行われる大統領選挙のこと、カラカスに拠点を置く20を超えるブラジルの機関の今後の役割、ヤノマミ族を含む、両国国境の先住民の問題などが話されている。
 30日にはブラジリアで南米諸国の首脳会議が開かれ、マドゥーロ大統領も出席する。同会議にはペルーを除く11カ国が参加する予定だ。

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