エクアドル=大統領が議会解散を宣言=自身の罷免回避が目的
エクアドルのギジェルモ・ラッソ大統領が17日、自身の罷免を逃れるために国民議会を解散すると宣言した。同日付G1サイト(1)(2)などが報じている。
この決定は、この前日に国民議会がラッソ大統領の罷免に関する公聴会を始めたことを受けたものだ。ラッソ氏は現在、運輸系企業からの贈収賄工作の嫌疑がかけられており、国民議会が先週、賛成多数で罷免審議を進める決定を出したばかりだった。
ラッソ大統領は同日出した宣言で、「政治危機による議会解散」を主張。現在の議員の任期を全て剥奪し、1週間以内に次の選挙に関する公示を行うことを宣言した。
ラッソ氏は銀行家出身で、保守派の代表として2021年の大統領選に当選した。だが、議会選挙ではラファエル・コレア元大統領(2007〜17年)が影響力を誇る左派が圧倒的に強く、かねてからラッソ大統領の罷免を求めていた。
ラッソ大統領はコロナ対策で国民から好評を得ていたが、昨年は燃料と食品の値上げに関連して長期間のデモが起きた上、刑務所での暴動で100人以上が殺害された事件などで支持を下げていた。
同国の憲法では、議会を解散した場合、大統領は6カ月以内に大統領選挙を行うことを義務付けているため、同氏は次の大統領選挙までの6カ月間は現職に居続けることが可能となる。