津軽三味線全国コンにブラジル勢初出場=グループ「民」メンバー4人

ブラジルサッカー代表ユニフォームを着て演奏を行った西川さん

 東京都浅草公会堂で4月2日に行われた日本民謡協会主催「第26回津軽三味線コンクール全国大会」に、ブラジルの若手民謡グループ「民」メンバー4人が出場した。同大会へのブラジルからの参加は今回が初めて。入賞には至らなかったが、生中継されたユーチューブチャンネル上では、ブラジルからの視聴者を中心に「素晴らしい演奏だった」とのコメントが寄せられた。4月23日、4人に大会の感想を聞いた。

 コンクールは独奏の部と合奏の部に分かれて行われ、独奏の部には小学生10人、中学生10人、大人74人が出場、合奏の部に4団体が出場した。ブラジルから参加した海藤紀世さん(38歳、2世)、西川光則アルバロさん(35歳、3世)、鳥原ロドリゴ順次さん(23歳、4世)、ヴィートル・バルボーザさん(32歳、3世)は独奏の部に出場した。
 大会の様子についてバルボーザさんは、「ハイレベルな演奏者ばかりでとても興奮した。優勝した髙森彩花さん(たかもり・あやか、東京都)が控室で2分程度さっと弾いただけで練習を切り上げたのはとても印象的で忘れられない」と話した。
 西川さんは「民謡の担い手が日本で減少していることを改めて知った。ブラジルで民謡文化を継承していることを誇りに思えた」としみじみ語った。
 海藤さんは「これからも日本民謡の普及と鍛錬を続け、いつかブラジルから優勝者が生まれて欲しい」と語った。
 鳥原さんは「日本の大会には初めての参加だったので、緊張していたが、大会には玄人から素人まで様々な人が参加していることに気付いて、落ち着きを取り戻すとともに、親近感が沸いて、自信も少し身に着きました」と話した。
 大会配信チャンネルのコメント欄には2005年度の同大会優勝者で、昨年8月にブラジルを訪れた阿部金三郎さんも現れ、「チームブラジルがんばれ!」と応援コメントを送っていた。
 グループ「民」メンバーは大会後、北海道、青森県、秋田県、宮城県を巡り、鳥原さんは東京、海藤さんとバルボーザさんは大阪、西川さんは鹿児島と沖縄で民謡修行を行った。
 大会の様子は日本民謡協会ユーチューブチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=Fv5wr3f0EfM)から視聴できる。

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