小泉純一郎元首相の従兄弟で獣医の井料堅治さんが４日夜８時半、サンパウロ市アクリマソン区のクルスアズル病院で老衰のために亡くなった。数年前から具合が良くなかったが、先月末から特に悪くなり入院していた。
井料さんは１９３２年１月３０日、鹿児島県南さつま市生まれ。勉学のために上京し、東京農工大を卒業した。当時は小泉氏と同宿しなから学校に通い、兄弟同然の付き合いだったという。２００４年９月に小泉首相が来伯した際も一緒に昼食をとるなど親しい仲だった。
井料さんは１９５５年１１月、サントアンドレーにいた親戚を頼り、神奈川県からブラジル丸で渡伯、サントスに着いた。最初は農業の傍ら夜学に通ってポルトガル語を習い、苦労しながらリオの大学で獣医資格の再認定を果たした。以後、サンパウロ市南部で動物病院を構え、当地でも獣医として活躍した。
その傍ら、鹿児島県人会相談役、煎茶道静風流灯楽会（せいふうりゅうとうらくかい）ブラジル支部の世話役、申（さる）年会の世話人などを務めていた。
５日にサンパウロ市のモルンビー墓地で通夜、１５時から葬儀を行った。初七日や四十九日ミサは５日現時点で決まっていない。