【既報関連】２３日夜、軽い肺炎と診断され、２５日からの予定だった中国訪問を２６日に変更したルーラ大統領が２５日、シリオ・リバネス病院の医師達の進言を受け、中国訪問を再延期すると発表。延期後の新たな訪中日程は未定と２５日付アジェンシア・ブラジル（１）、ＢＢＣニュース（２）（３）（４）などが報じた。
今回の訪中はルーラ氏が大統領に就任する前から決まっており、政治家３０人以上と企業家２００人以上、諸団体の代表らが同行するはずだった。
ルーラ氏は抗生物質とコルチコイド、抗ウイルス剤の処方後、２４日から症状が改善。２４日付ＣＮＮニュース（５）（６）などによると、同日朝、大統領官邸で診察した主治医のロベルト・カリル・フィーリョ氏も「状態は良い。日曜日には中国に発つはず」と語った。
だが、これに安心したのか、大統領は一旦キャンセルした閣議や両院議長との会談を２４日午後に実施。２５日は休養すると約束したが、２５日朝の再診後、シリオ・リバネス病院のアナ・エレナ・ジェルモグリオ医師が、大統領の肺炎はＡ型インフルエンザへの感染と免疫能力低下に伴うバクテリア性のものであるとした上で、「病状は改善しているが、ウイルス感染のサイクルが終わるまでは中国訪問を延期するよう勧めている」との声明を発表した。
大統領がこれを受け入れて訪問を延期すると、フェルナンド・ハダジ財相やロドリゴ・パシェッコ上院議長達もそれに倣った。次の訪問日程は交渉中だ。
中国訪問はルーラ氏が約束した外交関係改善、強化の一環だ。また、中国はブラジルにとって最大の貿易相手国であるため、大統領の訪中延期が決まる前に中国に着いて様々な交渉や会談を始めていた閣僚や企業家、中国への途上だった人もおり、混乱を招いた。
企業家の中には予定していた交渉や会談ができないとし、「ブラジルに戻って、ルーラ氏を連れてくる」と言い出した人もいたという。
また、最低２０件といわれている合意も、一部だけ取りまとめられる可能性があるが、基本的には正式に訪問が実現した時に署名となる見込みだ。
また、訪中延期により、訪中後と言われていた財政均衡法案の公表が今週中となる可能性が強まった。
