PCCがモロ氏ら暗殺計画=9人逮捕、ボス処遇に報復

 22日午前、州都第一コマンド(PCC)の暗殺計画に関する連邦警察の一斉捜査が行われた。殺害対象となった人物にはセルジオ・モロ上議なども含まれていたという。22日付G1サイト(1)などが報じている。
 警察官120人を動員した捜査は、ロンドニア州、パラナ州、南マット・グロッソ州、サンパウロ州、連邦直轄区で展開され、24件の家宅捜査令状、7件の逮捕令状が出された。午前9時40分現在で9人が逮捕されている。
 連警によると、PCCが暗殺の対象としたのは、サンパウロ州の組織犯罪対策特別班(Gaeco)のリンコン・ガキヤ検察官やセルジオ・モロ上議だったという。
 その背景にあるのは、刑務所に収監中のPCCの首領マルコ・ウィリアムス・エルバス・カマチョ(通称マルコーラ)受刑囚の存在だ。ガキヤ氏は18年前からPCC絡みの犯罪を担当しており、2018年にサンパウロ州の刑務所に収監されていたマルコーラを連邦刑務所に移管するよう訴えていた。マルコーラは翌19年2月に、PCCの他の21人のリーダーたちと共に移管された。
 また、モロ上議は法相だった2019年にマルコーラに対する面会などを制限する命令を出していた。PCCはこのことを根に持っていたとされ、今年の1月からはPCCのメンバーがモロ氏の動向を見張っていた。さらに、パラナ州クリチーバに在住するロザンジェラ夫人ら、モロ氏の家族に対する誘拐や殺害も視野に入れていたとされている。
 モロ氏は、自身が暗殺の標的にされていることを「人から知らされ、1カ月前には知っていた」と語っている。モロ氏は今回の捜査を行った連警に対して、感謝の意も表している。
 なお、この捜査は、21日にルーラ大統領が2018年のラヴァ・ジャット作戦での服役の際、「モロ氏に復讐してやりたいと思った」と発言した翌日に行われたものであったことで、関連づける政治家も現れたが、フラヴィオ・ジノ法相は「暗殺計画は45日前に知っていた」として、関連性を否定している。

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