リオ・グランデ・ド・ノルテ州19市で襲撃相次ぐ=治安部隊派遣の事態に=司令の容疑者はすでに死亡

 リオ・グランデ・ド・ノル州の19市で14日未明、公共施設や商業施設への発砲、放火などが相次ぎ、1人が死亡、28人が逮捕された。事態を重く見たフラヴィオ・ジノ法相(ブラジル社会党・PSB)が同州知事の要請に従って国家治安部隊を派遣する事態に至っている。14日付G1サイト(1)などが報じている。
 襲撃の対象となった市は、州都ナタルをはじめとした19市に及んだ。
 最も被害が大きかったのがナタル大都市圏のパルナミリン市で、地方裁判所が襲撃されたのをはじめ、市事業局の車2台とバス1台が焼き討ちにあった。バスの炎上は停電を招き、107世帯で電気が使えなくなった。
 ナタル市では、市内西部にある二つの軍警派出所が襲撃対象となった。犯罪集団は派出所に対して発砲を行い、放火も試みた。
 州内第2の都市モソローでは市内西部にある公用車の車庫が襲われたほか、ローザ公園地区に駐車していた市役所のトラック2台、レデンソン地区にあったゴミ収集車1台も攻撃を受けた。
 州内陸部のカイコーではバイク販売店と銀行の支店が襲われた。アカリでは瓦礫などを載せるカサンバの運搬車やトラクター、ショベルカーに小型トラックなど、事業局の車少なくとも6台が襲撃された。
 サントアントニオでは市庁舎に対する発砲行為が起き、ジャサナンでは市役所の駐車場にあった車1台が焼き討ちにあった。
 チバウ・ド・スルでは車8台が全焼したほか、ベラ・ヴィスタ地区の保健所が侵入被害に遭い、器具や備品が盗まれた。
 こうした事態が相次ぐ異例の状況を受け、ファッチマ・ベゼーラ知事(労働者党・PT)は法務省に対して国家治安部隊の派遣を要請。ジノ法相が了承した。
 北大河州には既に、治安部隊員100人とパトカー30台、刑務所警官30人が派遣されている。加えて、州内陸部では、連邦道路警察(PRF)による検問・取り締まりも実施されている。
 ジノ法相は、この後の展開次第によってさらに追加支援を行う意向であることをほのめかしている。
 騒動は15日も2市で引き続いたが、治安部隊が派遣されたことも重なり、同日午前までに1人の死亡、28人の逮捕の他、銃器6丁、火炎瓶30個、ガソリン8ガロン、バイク5台、車2台、現金(額は明かされず)などが押収されている。
 また、CNNブラジルなどによると、今回の襲撃を命令したと推測されているジョゼ・ウイルソン・ダ・シウヴァ・フィーリョ容疑者(通称アルゼンチーノ、29)が、身を隠していたパライバ州の州都ジョアン・ペッソアで警察によって射殺されている。警察に囲まれた際に反抗しようとしたものとみられている。同容疑者は、北大河州最大の犯罪組織のリーダー格だったという。

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