連邦燃料税を1日から再開=石油公社が同時に値下げ発表=課税によるインフレ和らげるため

2月27日のルーラ大統領(Ricardo Stuckert)
2月27日のルーラ大統領(Ricardo Stuckert)

 ルーラ大統領(労働者党・PT)は2月27日、燃料への連邦税の復活を決めたと2月27日付フォーリャ紙サイト(1)が報じた。燃料課税は、ボルソナロ政権時代に選挙対策のために一時免税処置にされていた。28日付G1サイト(2)は課税復活と同じ1日から、ペトロブラスはガソリン卸売価格を値下げすると発表した。
 ルーラ大統領は2月27日、フェルナンド・ハダジ財相、ルイ・コスタ官房長官、アレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相、ガブリエル・ガリポロ財務局長、そしてペトロブラスのジャン・ポール・プラテス総裁と燃料への再課税に関して話し合いを行った。
 燃料の課税免除は昨年、国際市場に合わせたペトロブラスの価格設定で燃料代が高騰したために選挙で不利になると判断したボルソナロ前大統領はセントロンと組んで、経済支配介入納付金(Cide)や社会統合基金(PIS)、社会保険融資納付金(Cofins)を一時的にゼロにし、州政府の主な税収である商品流通サービス税(ICMS)にも17%の上限を設けて燃料価格を抑制する法案を可決させた。これで税収が大幅に減った州や市から強い反発を買っている。
 課税ゼロは昨年12月末までだった。ハダジ財相は年初、燃料課税免除が国の会計に大きな損失をもたらしていると見て、復活を強く希望していた。だが、課税復活は国民の反感を買いかねなかったことからルーラ大統領は免除継続を決定していた。PTのグレイシ・ホフマン党首らは、燃料代の値上げを4月以降にしようと圧力をかけていた。
 今回はハダジ財相の言い分が通った。3月1日からPISとCofinsが復活する流れとなる。課税比率は明らかにされておらず、ガソリンには高め、環境に優しいエタノールなどには低めの課税率と差をつけた対応になりそうだと報じられている。
 フォーリャ紙の報道によれば、燃料課税復活により今後1年間で280億レアルが連邦歳入に戻ることになる。
 ボルソナロ政権によって課税免除になる前は、1リットルにつきガソリンに0・69レアル、エタノールに0・24レアルが課税されていた。現在、ガソリン1リットルあたり平均価格は5・07レアルだ。
 G1サイトによればペトロブラスはガソリン卸売価格を3・92%値下げ、ディーゼル油は1・95%値下げするという。この発表は、燃料インフレを和らげるために連邦政府と共同で作成されたと報道されている。
 政権の根回しにより、課税による価格上昇を抑えるために石油公社が負担した形になり、値下げが発表された後、同公社の株価は下落した。

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