伯日商議所昼食会=島田さんがカーニバル講演=「現地との融合」目指し

島田愛加さんの講演の様子(提供:Rubens Ito / CCIJB )
島田愛加さんの講演の様子(提供:Rubens Ito / CCIJB )

 ブラジル日本商工会議所(商議所、小寺勇輝会頭)は17日、聖市のインターコンチネンタルホテルで定例懇親昼食会を開催した。ブラジルでのカーニバル開催に合わせ、特別ゲストにブラジル文化ライターで演奏家の島田愛加さん(東京出身)が『ブラジルの象徴~カーニバルについて~』講演を行った。音楽や映像を交えたブラジル情緒の伝わる講演に120人の参加者が耳を傾けた。
 冒頭挨拶に立った小寺会頭は、2日に行われ出席した「令和4年度官民合同会議」と翌3日の「日伯食品・農業合同セミナー」の内容を紹介し、コロナ禍沈静化と新政権誕生で、日伯政府間の交流が活発になりつつあると述べ、「官民一体となって時勢をうまくとらえ、日本とメルコスルのEPAが早期締結されることを期待している」と語った。
 島田さんの講演は、今年から新体制となった商議所が掲げる新たな取り組みの一つ「現地との融合」の一環として、ブラジルの歴史と文化への理解を深めるために企画された。島田さんは武蔵野音楽大学在学中にボサノバに興味を持ち、2010年に来伯。2014年からタトゥイ音楽院でサックスフォンを専攻してブラジル音楽の歴史やリズム、アレンジや即興などについて学び、2019年に卒業した。
 講演では「カーニバルの歴史」、「リオのカーニバル」、「多種多様なカーニバルの魅力と課題」の3部に分けて、自らの体験談も交えながら話を進めた。
 島田さんは、カーニバルを野蛮だと考えて反対する人々の存在や、金儲け優先のカーニバルイベントが増えている現状を踏まえながらも「常に新しいものを求め、人々の需要に応じて変化する柔軟性はブラジルの良いところだと思う」と述べ、歴史家のルイス・アントニオ・シマス氏の「カーニバルは、ブラジル人が“生きる意味”を肯定できる美しい表現。本来の意味を思い出してほしい」との言葉を紹介し、「本来の意味を忘れずに、カーニバルが続いてくれることを祈っています」と締めくくった。
 講演後、特別ゲストの桑名良輔在聖総領事が、2月初めに行ったタルシジオ・デ・フレイタス聖州知事やジルベルト・カサビ元聖市長、ルーカス・フェハス経済産業省国際貿易局長との面談の様子を報告した。
 フレイタス知事は日本のことを大変よく知っている印象で、日系企業がサンパウロ州の経済に貢献していることや日系コミュニティから温かい支援を受けたことに感謝していたという。また、投資環境の整備にも前向きで、再工業化やサステナビリティ、モビリティの分野で技術力のある日本と協力したいとの意向を示した。フェハス国際貿易局長は、日本と関係強化し、投資誘致やビジネス面での交流を積極的に行っていきたいとの意向を示した。
 2022年第4四半期監査報告と着任挨拶、交代挨拶、企業紹介の3分間スピーチが行われた後、ブラジルの日本人および日系人起業家の調査で来伯した横山和子さん(東洋学園大学元教授)とブラジルで日本文化普及のためにJポップの歌手を招待するイベントを企画しているブラジル日報協会コマーシャルディレクターの輿石信男さんが特別スピーチを行った。

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