サンパウロ州豪雨=踊る観光客に市長「来ないで」=死者54人、サンパウロ市も連日土砂降り

 19日の豪雨により24日までに54人の死者が確認されたサンパウロ州北部海岸では、サンセバスチアンの市長が「観光にこないで」と訴える事態になっている。サンパウロ市でも連日強い雨が続いており、冠水などの被害が相次いでいる。23日付G1サイト(1)などが報じている。
 23日、サンパウロ市での雨は14時台から16時台にかけて強く降った。非常事態管理センター(CGE)が16時に発表したところによると、大サンパウロ市都市圏と合わせて33カ所で冠水が発生。84本の倒木を記録した。
 冠水は特に南部や東部でひどく、インテルラゴスやサントアマーロといった大通りでも水浸しの状態が見られた。ところによっては、車の大半が水に浸かる、もしくは水に浮かぶ光景が見られ、その写真が拡散された。
 郊外フェラス・デ・ヴァスコンセロスでは崖崩れが発生し、3軒の家屋が倒壊した。この日は強風も目立った。サンパウロ市南部のコンゴーニャス空港では14時14分に時速40・7キロ、カンポ・デ・マルテ空港では15時に46・3キロの強風を記録している。
 また、先週末に豪雨被害を受けたサンパウロ州北部海岸では、24日時点で死者数が54人になった。行方不明者も依然として多数いる状態だ。
 その最中、同市の海岸で天候が悪い中で海水浴をして楽しそうに踊っている動画が拡散された。サンセバスチアン市長はこの動画を不謹慎なものとし、「どうか思いやりと団結を。今は私たちの市に観光に訪れる場合ではない」との訴えかけを行っている。
 今回のサンパウロ州北部海岸の豪雨は、アマゾン地方から南下した湿気を含んだ暖気と南海上からの近づく寒気がその地域でぶつかったために起きた特異現象だと報じられている。

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