サンパウロ州北部海岸で記録的豪雨=48人死亡、行方不明約40人=ルーラとタルシジオが現地声明

ルーラ大統領とタルシジオ・サンパウロ州知事(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
ルーラ大統領とタルシジオ・サンパウロ州知事(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 22日付エスタード紙サイトなど(1)によれば、カーニバル期間中の19日から聖州北部海岸で記録的な豪雨が降り、22日朝9時時点で48人の死亡が判明する惨事となった。ルーラ大統領(労働者党・PT)は20日に最大の被害地となったサンセバスチャンを視察に訪れ、タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)と共に対策の発表を行った。
 豪雨は18日から19日にかけて、ちょうどサンパウロ市でカーニバルのパレードが行われている日に起こった。最大の被害を受けたのは州北部海岸のサンセバスチアンで、21日までに45人の死者が発生。ウバトゥーバでも1人が死亡。21日現在で49人が行方不明、2千人以上が自宅からの避難をよぎなくされた。
 被害者の救出は軍警のヘリコプターなどを使って行われたが、豪雨のため状況が悪く、当初は被害現場への到着が困難を極めるなど難航した。その死の多くが、土砂崩れによる家屋倒壊や倒木が原因だった。
 この期間で最大の雨量を記録したのはベルチオガで、24時間当たりの雨量が683ミリを記録した。これは昨年3月にリオ州ペトローポリス市で238人の死者を出した際に記録した534・4ミリをも超える雨量だった。
 この雨の影響でベルチオガ/モジ街道は道路下のパイプが破裂して通行止めとなった。ベルチオガ市によると復旧には2カ月を要するという。主要路線のサントス/リオ街道も10カ所以上で大規模な土砂崩れが起き、タルシジオ州知事は記者会見で「この街道はもう存在しないかも」と被害のひどさを強調した。
 カーニバル期間中はバイア州アラトゥ海岸で過ごすのが常だったルーラ大統領は19日夜、休暇を切り上げ、現地に向かい現地視察を行った。大統領は20日に現地入りしてサンパウロ州知事、フェリペ・アウグスト・サンセバスチアン市長(民主社会党・PSDB)らと、今回の災害対策について緊急で話し合いを行った。ルーラ氏は会見も開き「国と州と市が一体となって被害からの復旧に当たるべき」と発言した。タルシジオ知事、アウグスト市長はともに大統領の協力に感謝の意を示している。
 だが、タルシジオ知事がルーラ大統領と協力姿勢を見せたことは、ボルソナロ前大統領(自由党・PL)の支持者たちからは強い拒否反応を受けた。タルシジオ氏は前政権のインフラ相で、ボルソナロ氏の推薦を受けて知事に当選していた。
 今回の報道では、ルーラ氏の休暇切り上げが、21年年末にバイア州での水害の際にボルソナロ前大統領が現地に赴かず、サンタカタリーナ州で休暇を継続させたこととも比較されていた。

最新記事