《ブラジル》 ロライマ州知事「先住民は文化に順応すべき」 連邦検察庁が差別の可能性を捜査

Entrevista coletiva do governador de Roraima, Antonio Denarium.

 先住民について「文化に順応すべき。いつまでも動物のように森の真ん中に留まっていてはならない」という、アントニオ・デマリウム・ロライマ州知事の発言内容に関して、連邦検察庁が捜査を行う事を決めたと1月31日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 デマリウム知事の発言は、フォーリャ・デ・サンパウロ紙によるインタビューで同州にあるヤノマミ族の居住地に関するプロジェクトについて訊かれた際に行われた。
 ロライマ州のアリソン・マルガル連邦検察官は、同知事の発言はヤノマミ族全体のイメージを「森の動物」という表現によって傷つけた上、独自の文化を継承し、持続可能な生活をしている先住民は文化に順応していないと見ている事を示しており、人種や肌の色による偏見を犯罪と位置づける法律に規定されている「差別の可能性」を帯びていると判断している。
 ロライマ州内にある261の先住民のコミュニティを代表する先住民審議会も、デナリウム知事の発言を否定し、ロライマ州の知事はヤノマミ族が直面している不法採掘者による居住地への侵入による深刻な社会的な被害を過小評価し、ことさらに小さな事として扱おうとしていると批難する声明を発表。また、州検察局や連邦警察監督局、先住民省、法務省に、この件に関する調査を要請した。
 マルガル連邦検察官は既に、州知事の犯罪行為の捜査の開始を決め、最高裁に起訴する権限を持つ、アウグスト・アラス連邦検察庁長官に必要な文書を送付した。
 ロライマ州通信局は、デナリウム知事の発言は文脈から離して解釈されたとし、知事が差別的な発言をした事はなく、州民の生活を改善したいという願望は、先住民の尊厳を尊重する人か否かに関わらず、全ての人にとって共通の願望であると弁明した。

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