【2023年新年特集号】ポストコロナ時代の未来地図を描く=ブラジル都道府県人会連合会会長 市川利雄

市川利雄会長

 新年あけましておめでとうございます。どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。
 2022年は県連にとって、新型コロナウイルス感染による県人会活動の停滞、財政面の影響、県人会関係者などの健康、中でも高齢者の健康不安などから脱却する「再開への挑戦」の年でした。
 特に「第23回日本祭り」の実施については、通常より短い期間で毎晩のようにオンライン、対面での会議を続け、急ピッチで作業を進めました。その間、感染も徐々に落ち着き、ウィズコロナへと移行していきました。
 しかし、関係者の多くがいつ、「まさかの事態」が起こるかもしれないと一抹の不安を抱えながらの開催となりましたが、幸いにも18万2千人が会場に足を運んでくださり、素晴らしい成果を上げ、より、バージョンアップした「日本祭り」を実現することができました。
 また、県人会長をはじめとする役員の方々のご尽力により、外出をためらい、引きこもりがちであったボランティアの方々のモチベーションが高まり、県人会の活動を支え、活気を取り戻すことができたのも特筆に値します。
 さらに、国際交流面でも県人会の周年行事に知事や副知事など母県の関係者が来伯し、大きな感動と喜びの時を過ごし、母県との絆をより一層、深めることができました。このように、まさかの事態に備えて、感染予防を含む「準備を整えておく」ことで各種イベントや国際交流が実現できることを強く、感じました。
 現在、ブラジルには200万という人口を誇る世界最大の日系社会が存在します。しかし、日本祭りの来場者の半数以上が日系とはつながりがない皆様であるように、血縁はなくとも「日本に関心があり親近感を持つ」ブラジル人は日系人以上に存在します。私はこれらの日本ひいきを加えた日系社会の人口は700万を上回ると思っています。
 さらに、その多くが60周年という還暦を過ぎた県人会の活動も次世代への移行、変革の時期を迎えています。これには、母県とのつながりが重要で、従来とは異なった多様な交流や活動が求められていると考えています。
 今年はパンデミックという「危機」すなわち、「危ない時に解決策や改革に取り組む機会」に直面して、多くの気づきや発見などの知恵を得ることができました。
 これらを活用して、「第24回日本祭り」を昨年以上の企画で盛り上げます。そして、県連として、10年、20年、30年後を見据えた未来地図を、県人会の皆様と共に描いていくスタートの年にしたいと願っています。
 皆様にとって2023年がより一層、充実した年になるよう心より、お祈り申し上げます。

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