【2023年新年特集号】謹んで新年のご挨拶を申し上げます=外務大臣 林 芳正

林芳正外相(提供 外務省)

 令和5(2023)年の年頭に当たり、ブラジルにお住まいの日本人、日系人の皆様に、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 世界は歴史の岐路に立っております。昨年、ロシアによるウクライナ侵略等により、国際社会はポスト冷戦時代の終焉ともいうべき秩序の動揺を経験しました。この厳しい国際情勢の中、日本に求められる役割は確実に大きくなっております。日本は、この先の見通せない時代の指針として、国際法の原則に基づく「法の支配」こそが重要であると考えます。これまでの安定と成長は法の支配に基づく自由で開かれた秩序を土台としたものだからです。外務大臣として、引き続き、普遍的価値を守り抜く覚悟、日本の平和と安定を守り抜く覚悟、そして人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟、この三つの覚悟をもって、外交を展開していきます。
 この3年間、世界中に拡大し猛威を振るった新型コロナは、社会活動に大きな影響を与え、人々の価値観に今までにない変化をもたらしました。日本を含む多くの国で実施されていた水際措置が緩和又は撤廃されつつあることに伴い、日本と各国の人的往来も再活性化しています。
 日本とブラジルのつながりは、様々な分野において御活躍されておられる日本人、日系人の皆様に支えられているものです。世代が変わっていく中でも、日本とのつながりをより強固なものとし、皆様が日本と現在お住まいの国との間の友情の架け橋として、また両国の文化交流の担い手として、一層御活躍いただけるよう、引き続き外務省としても、各種事業の着実な実施を全力でサポートしていく考えです。同時に、日本の平和と安定、繁栄、そして国際社会における名誉といった国益を増進させるための外交を進めて参ります。
 最後に、本年の干支であるうさぎが跳躍する如く、皆様にとって大いなる飛躍の一年となりますよう、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念し、新年の御挨拶といたします。

              令和5(2023)年元旦

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