テベテは環境相、都市相?=党思惑で大臣任命が難航=ルーラが本人と直談判

テベテ氏とルーラ氏(twitter)
テベテ氏とルーラ氏(twitter)

 ルーラ次期大統領(労働者党・PT)は23日、閣僚入りが噂されているシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)と会合を行った。ルーラ氏の大統領選に貢献し、影響力の強いテベテ氏の入閣をルーラ氏は強く望んでいるが、希望の役職は既に失い、MDB内部に閣僚入り反対の声があるなど、難航している。22、23日付現地紙、サイトが報じている。
 南マット・グロッソ州選出上議のテベテ氏は、大統領選前まで全国的な知名度は高くなかったが、大統領選討論会で注目を浴び、大統領選の一次投票では一躍3位に躍進する健闘を見せた。
 だが、テベテ氏がそれ以上に注目を集めたのは決選投票だった。彼女はルーラ氏のキャンペーンに加わって全国を駆け回り、選挙放送にも積極的に出演してルーラ氏の重要性を主張。ルーラ氏当選を後押しした要因のひとつにもなっていた。
 そうしたことからルーラ氏自身もかねてからテベテ氏入閣を望んでいたが、テベテ氏は「お飾りの大臣なら望まない」として、ルーラ氏側が望んでいた他の役職を拒否。社会開発相での入閣を望んでいた。
 だが、社会開発相はPT政権の看板政策の生活扶助「ボルサ・ファミリア」を管轄する部署であることでPTが手放さず、前ピアウイ州知事のウェリントン・ジアス氏が22日に正式発表された。
 だが、これでテベテ氏入閣の可能性がなくなったわけではなく、ルーラ氏は他の役職での入閣を希望。23日に会合を開いて話し合うことになった。
 従来の予想から行くと、ルーラ氏は環境相か企画相、都市相からの選択を求めると見られている。環境相に関してはルーラ氏が一度打診したが、テベテ氏同様にルーラ氏を応援し、入閣が有力視されているマリーナ・シウヴァ氏がいることを理由に断ったとされている。マリーナ氏は第1~2期ルーラ政権で環境相を務めた上、その実績で国際的にも知られる環境活動家だ。
 関係者の間では、マリーナ氏が気候変動関係のブラジル代表的な役職に就くことを認めた場合はテベテ氏が環境相に就任する可能性があると見られている。
 また、テベテ氏の入閣が遅れているのは本人の問題だけでなく、MDB側の思惑も絡んでいる。そのひとつはMDB上院の親PT勢力だ。前PT政権時代に上院議長を務めたレナン・カリェイロス上議は、自身か前アラゴアス州知事で息子のレナン・フィーリョ氏の入閣を強く望んでいるし、エドゥアルド・ブラガ上議も前PT政権でMDB管轄だった鉱山動力相を同党で掌握したいと望んでいる。テベテ氏は以前はPT派ではなかった。
 また、MDB内では都市相、運輸相を求める動きもあり、22日にPTとMDBが会合を行った。この会合にはルーラ氏の他、PTからルイ・コスタ次期官房長官やアレッシャンドレ・パジーリャ次期渉外室長官、MDBからバレイア・ロッシ党首、レナン、ブラガ両上議、イズナルド・ブリョンエス同党下院リーダーが参加した。
 次期政権ではまだ、16人の閣僚の発表が残されている。

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